ポーランド国内の夜行列車を利用してみた(ワルシャワ~ザコパネ)
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今回は、ワルシャワからザコパネまで夜行列車を利用した簡単な旅行記です。

 

目次

ポーランドの夜行列車は未だいくつかが健在

かつては日本でも「ブルートレイン」と呼ばれて親しかった夜行列車も、時代の波に逆らえず日本ではほぼ絶滅(今は電車寝台特急が1本と、豪華クルージング夜行列車が動いているだけ)し、ヨーロッパ国内でも、LCCの普及などで、かつては「ユーロナイト」と呼ばれる種類の夜行列車がだんだん減っているようです(実際、オランダではアムステルダム発着/経由のユーロナイトは絶滅してしまったようです)。

 

そんな中、ポーランドでは2017年現在でもいくつか夜行列車が動いていて、

グディニャ~グダンスク~ワルシャワ~クラクフ~ザコパネ

の、南北リゾート地を結ぶ列車や(クラクフは上下とも深夜発着なので、使いづらいです)

グディニャ~グダンスク~ビドゴシチ~チェンストホヴァ~クラクフ~ザコパネ

という、ワルシャワを経由せず南北リゾート地を結ぶ夜行列車(こちらはクラクフの発着時間が便利な時間帯です)、

他には、

シュチェチン~ポズナン~チェンストホヴァ~キエルツェ~クラクフ~ザコパネ

と言った、ポーランド西部から中央部をうねうねと走りながらザコパネを結ぶ列車、そして

シュチェチン~グダンスク~オルシュティン~ビアウィストク

の、ポーランド北部を横断する、日本人旅行客ならまず利用しないであろう区間などに、夜行列車がまだ運転されています。

 

(他には、ワルシャワ~ベルリン~ケルン/ワルシャワ~ルブリン~キエフ/ワルシャワ~クラクフ~リヴィウの国際夜行列車も運転されています)

 

ポーランドも、高速特急や飛行機路線の発達で夜行列車は肩身の狭い存在になりつつあるとは思いますが、ポーランド南部~北部をダイレクトに快適に結ぶ移動手段は他にあまりないので、場合によっては便利な移動方法だと言うこともできます。

 

ポーランドの夜行列車を利用するには

ポーランドの夜行列車は、国内線であれば他の特急列車同様にオンラインでチケットを購入することができます。

参考:ポーランド国鉄の特急列車をウェブ予約する方法

ただ、ハイシーズン、特にザコパネやグダンスクなどのリゾート地を結ぶ夜行列車に乗りたい場合、1ヶ月前の予約開始直後に、週末だと寝台座席は埋まってしまうことが多く、僕は3週間前に予約をしましたが、既に週末発着の寝台は満席になっていたので、木曜夜にワルシャワを出発するチケットを購入しました。

 

購入時に「寝台」と「クシェット(簡易寝台)」を選ぶことができるのですが、お金に余裕があれば寝台を選ぶ方がいいでしょう。寝台は個室で、1人部屋、2人部屋と、3人部屋があるようです。

 

僕は残席の関係で、寝台の3人部屋を予約しました。代金は乗車券+寝台券で150ズロチ(4500円)程度だったと思います。

 

なお、寝台を予約した場合、ポーランド国内線でもチケットは印刷して乗車時にアテンダントに見せないと行けません。

ポーランド国鉄の場合、

・国際列車

・国内の寝台列車

のチケットは必ず紙で保管して、乗車時に提示する必要があります。

 

実際に乗ってみた

僕が夜行列車を利用したのは、2017年7月20日の夜。予定ではワルシャワ中央駅を23時10分に出発し、ザコパネに翌朝7時過ぎに到着でした。

ただ、この列車はグダンスクからやってくるので、ワルシャワ出発の時点で40分程の遅れがありました。

列車の編成は上の通りで、少し分かりづらいですが、ザコパネ以外に2つほど他の目的地に行く列車が連結されています。これらは全て、クラクフで切り離されるのだと思います。

なお、寝台列車はザコパネ行き6両編成のうちたった1両だけ。週末発着だとこれにクシェット車両が連結されたり、寝台客車の数が増えるんだと思いますが、いずれにしても、どうりですぐにチケットが売り切れてしまうわけです。これだとそもそも販売数が少なくなってしまいますね。

 

寝台客車は他の客車と色が違っていて、一目で分かります。乗車時に紙のチケットとパスポートを見せます(チケットはその場で回収されるので、個室番号とベッド番号を覚えておきましょう)。

 

寝台客車の通路はこんな感じ。大型のスーツケースはギリギリ運べるくらいの広さです。

 

個室の中に寝台は3つ(下段、中段、上段)あって、僕が予約したのは上段でした(オンライン予約だと、予約時にどのベッドになるかは決められないようでした)。

スマホの写真であまり画質がよくありませんが、上段はヒジョーに狭いです。1度起き上がったときに頭を思い切りぶつけました(笑)

ただ、上段にはベッドの反対側に荷物置き場があって、バックパックやリュックはここに置くことができます。

 

また、ベッド自体も狭いので、寝返りを打つのは難しいですね。

上段から下を眺めます。下段にはパソコンや飲み物が置けるテーブルがあるので、下段を予約できるのであれば予約したいところです。

こちらはだれも使っていなかった中段。下段、中段は窓が見えますが、上段はそれすらないので、はっきり行ってやることがありません。今回の移動は深夜出発の朝早くに到着だったので問題ありませんでしたが、長旅を夜行列車でするのであれば、3人用個室寝台だと不便かも知れませんね。

これは床に立った時の目線。

ハンガーと簡易ワードローブもありました。

 

ただ、シャワーは3人用個室の車両には付いていなさそうだったんで、予め済ませておくのがいいと思います。

 

加えて、食堂車・車内販売もないので、飲み物と軽食は必要に応じて調達しておきましょう。僕は水とクロワッサンだけ買って乗り込みました。

 

列車自体はスピードが思った以上に出るのですが、レールがシームレスに繋がっているのでガタンゴトンという揺れはそこまでありません。ただ、カーブで揺れるのと、部屋の灯りが完全に暗くならない(できるのかも知れませんが分からなかった)ので、アイマスクと耳栓は持参したほうがいいかもしれません。

 

こちらは終点・ザコパネ駅到着時の写真。ハイシーズンはこの列車に乗ってきた多くの人が、Morskie okoやポーランド最高峰のルィスィ山を目指して歩いて行きます。まさに山岳夜行列車ですね。

 

<合わせて読みたい記事>

ザコパネからモルスキオコまでの日帰りトレッキングを楽しむ

 

 

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