海外での長期生活の際には、買い物や付帯保険など、クレジットカードはなくてはならない必需品。ただ、あまりにも多くのクレジットカードが出回っていて、「どのカードを使えばいいの?」という悩みを持っている方も多いと思います。
そこで今回は、特に海外での長期生活(ワーホリ、留学、駐在など)をされる方にとって使い勝手が大変いい、楽天プレミアムカードの良さを徹底的に解説したいと思います。
このカードは年会費こそかかるのですが、その値段を遙かに超える付帯サービスがあって、半年間ほどの語学留学でも、申込をして使う価値は十二分にあります。
僕はこのカードを2015年の3月頃から使い、2016年夏~2017年秋のポーランド生活、そして2018年春からのハンガリー生活でも徹底的に使い回しています。利用できるサービスは一通り全て使っての感想なので、是非これから海外渡航(生活)をされる方は、参考にして下さい。
それでは早速、見ていきましょう。
目次
⓪カードが届いたら会員ページで「トラベルコース」を選択
最初に注意点を挙げておくと、楽天プレミアムカードは、3つの「コース」を選んで、そのコースに応じた特典・付帯サービスを利用することができます。それが「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」なのですが、「市場コース」は楽天市場を使ってショッピングを頻繁にする方向けで、「エンタメコース」は楽天TVや楽天Booksを頻繁に使う方向け、です。
そして、「トラベルコース」を選ぶと、国内・海外の旅行で様々な特典を利用することができて、それらが以下に挙げるものです。
これらのコース選択は、カードが届いてから「楽天enavi」という会員ページにアクセスして、そこで設定・変更をする必要があります。この設定を正しくしておかないと適切な付帯サービスが使えないので、ご注意下さい。
さて、それではいよいよ本題です。
①無料付帯の「プライオリティパス」が最強
実は、楽天プレミアムカードの一番の「優待サービス」は、無料で付帯してくる「プライオリティパス」を使えること。
楽天プレミアムカードそのものの機能ではなく、プレミアムカードが届いてから別途、プライオリティパスの申込手続きをする必要があるのですが、プライオリティパスが手元に届けば、世界中の空港にあるラウンジを無料で使うことができます。このプライオリティパスを使えば、日本から海外に出国する際にもくつろぐことができますし、目的までのトランジットでの待ち時間、あるいは帰国の際に出発空港・乗り継ぎ空港でも快適な滞在をすることができます。
注意点としては、ビジネスクラス・ファーストクラスラウンジ用の「上級ラウンジ」とは違う(ワンランク下がる)ラウンジのため、最上級のサービスを受けられるわけではない、ということ。とは言っても、お腹を満たすための軽食や飲料(アルコール含む)、快適なインターネット(Wi-Fiサービス)、そしてラウンジによってはシャワーがあって、これらを追加手数料なしで利用できるのは、長距離のフライト利用時には特に価値が高いです。
楽天プレミアムカードの年会費は10000円+消費税なので、単純計算で、日本出発~帰国のフライト2回で、途中で乗り継ぎがあるとすると、最大で4回ラウンジが利用できることになります(日本出発時に1回、途中の乗り継ぎで1回、帰国時の出発空港で1回、乗り継ぎで1回)。
そして、海外で長期滞在をする場合はその間にLCCを使って旅に出ることもあるでしょうから、更に多くの回数、ラウンジを使うことだってもちろん可能。空港のターミナル内の椅子は硬くて椅子取り合戦になる場合も多いですから、快適な空間を使えると言う意味でも、プライオリティパスの利用価値はとても高いです。
空港によってはプライオリティパスが使えないラウンジしかない、という場合もありますが、ヨーロッパで長く暮らして色んな空港を利用してきましたが、だいたいの主要空港では問題なく使えるラウンジが1つはあります。
以下に、ヨーロッパ主要空港のラウンジレビュー記事を載せているので、合わせてどんな雰囲気か参考にして頂ければと。
また、LCC専用空港でも、サービスの質は落ちますが利用できるラウンジもあります。例えば、イタリア・ミラノの郊外にあるベルガモ空港のラウンジ。
また、少し特殊な例ですが、「ラウンジの代わりに提携レストランを使える」というサービスも一部の空港であります。2019年3月現在、日本国内では関西空港のお好み焼き屋「ぼてぢゅう」のみ。国際線だけでなく、国内線利用の際も使えます。
ラウンジ利用のために飛行機に乗りまくる、というのは本末転倒ですが、飛行機を使っての利用が多いのであれば使わない手はないですし、仮に日本と海外の一往復のみであっても、以下のサービスと合わせて、年会費以上のメリットはあるので、手元に置かない手はないかな、と思います。
②年間で2回使える「手荷物送迎サービス」が重宝
続いてのサービスは、自宅と空港間での手荷物送迎サービス。
海外で長期間暮らすとなると、少なくても大型スーツケース1個、荷物が多いと2個ほど、預け荷物を持っていく必要が出てきます。
もちろん、それらを自宅から空港に持っていくのはとても体力が要りますし、自宅から空港までが遠い場合や、公共交通機関を何度も乗り換える必要がある場合だと、たとえ1個でも、空港に着く頃にはフラフラ…ということになってしまいます。
なので普通は、宅配便や空港への手荷物送迎サービスを使うことになると思うのですが、楽天プレミアムカードを持っていると、年間2回(厳密には、楽天プレミアムカードが届いてからの1年間の区切り)で2回まで、「手荷物1個の無料配達サービス」を使うことが可能です。
単純に考えると、海外に行って帰国して、という1往復の際に1回ずつこのサービスを使えば、手荷物配達にかかる必要はゼロ円。スーツケースが複数ある場合は、もう片方は実際に運んでもいいし、重ければ1個だけ有料で運んでもらうのも可能。どのみち、「1個の手荷物を自宅~空港で配達してもらえる」クーポン券が2つ付いてくるので、空港までの配達に2枚使っても、その逆も可能なのです。
僕の場合、自宅~空港はリムジンバス1本で行ける便利さなのですが、仕事柄スーツケースの中がぱんぱんになってしまう(仕事道具も沢山必要)ので、大きいほうのスーツケースを宅配してもらって、軽い方のスーツケースを自分で運ぶようにしています。
このサービスは、楽天プレミアムカードを使い始めてから3年くらいしてようやく利用してみたのですが、出発の前日以前までに配送手続きをしないといけない、ということを除いてマイナスの点はありません(配達にかかる時間の関係で、どうしても荷造りを早めに終えて運んでもらう必要があります)。
日本と海外を頻繁に行き来するのであれば旨味は少ないですが、1年間の生活で、その途中に一度一時帰国をする、程度の頻度であれば、この配達サービスでも十分間に合うのではないでしょうか。
なお、1点手続きが面倒くさいことがあって、それがサービスを申し込んだ際に「クーポン券を印刷しないとだめ」なことです。日本での印刷はまだしも、海外で印刷できる環境は限られているのが実情かな、と思います。もう21世紀なんだから、アプリでQRコードを出せばカウンターでの申込も問題ない…くらいのシームレスさには早く進んでもらいたいものです。
このサービスの利用レビューは、こちらの記事でも詳しくまとめています。
※このサービスを使えるのは羽田、成田、セントレア、関空の4つだけなので、そこは注意が必要です。
③海外キャッシュカードより手数料がお得なキャッシングサービス
楽天プレミアムカードの嬉しいサービスの3つ目は、海外のATMでお金を下ろしたときに必要な手数料が、他の海外キャッシュカードよりも安い、という点です。
海外でキャッシュを持ち歩くのは、多額だと無くしたときにどうしようもないのと、その国でしか使えない通貨が大半なので、帰国時に余っていてもしょうがないですよね。また、ヨーロッパだとクレジットカードが普及している国も多いので、必要以上にキャッシュを持ち歩く、あるいはどこかで両替する必要もないのですが、例えば長期生活の場合、家賃の支払いは現地の銀行にキャッシュを預けてから大家さんの口座に振り込み、あるいは手渡しということもあり得ます(僕は、ポーランドでの生活時が前者、ハンガリーでの生活では後者で対応してもらっています)。
今でこそ、エアビなどのサービスを使うことも当たり前ですし、Transferwiseなどの国際送金サービスも多数出現してきていますが、細かい買い物や、ときどき出くわすクレジットカード使用不可のお店でキャッシュが必要なときには、予めどこかでそれを用意しておく必要があります。
そして、普通に両替をするとなると、手数料が高いのであまり多額の両替はオススメできないし、かといって、日本の銀行のカードで、海外でも現地通貨での引き下ろしができるカード(例えば、楽天銀行の国際キャッシュカード)も、手数料がやや高くて、もう少し安くできないか、と一考の余地有り。
そこでたどり着いたのが、この楽天プレミアムカードのキャッシングサービスでした。
キャッシングサービスというのは、普通の現金引き下ろしとは違って、クレジット機能と同じで「一時的にカード会社からお金を借りて、後で返済」というシステムで、クレジットカードのキャッシュ版、と考えれば分かりやすいと思います。
楽天プレミアムカードの場合、「月末〆の翌月27日支払い(口座引き落とし)」という条件になっていて、キャッシング(ATMでキャッシュを引き出す行為)をしてから支払日までの日数が長くなればなるほど、金利(手数料)が増えていく仕組みになっています(この仕組みの解説は、ここでは詳しくしません)。
ただ、この金利(手数料)が安く、年利18%(楽天カードの利率)に、「返済日数/365日」を掛け合わせる(例えば、月末の28日にキャッシングをして翌月27日に支払う場合、約30日の日数がかかるので、30/365を掛け合わせる)ことで計算ができます。楽天カードの公式ページでは、1万円をキャッシングしたときにかかる手数料(30日返済)は約147円、となっています。
これに、楽天プレミアムカードのATM利用手数料が216円(1万円未満の引き出しだと108円)、加えて海外のATM利用料も別にかかる場合がありますが、僕は毎月7万円ほど引き下ろしをして、かかる手数料は約1000円。この手数料をゼロにすることはほぼ不可能なので、どうすれば安上がりにできるかが大事なのですが、楽天銀行の海外ATM利用機能を使っても、同じようにカードの手数料や銀行利用手数料はかかってしまい、為替レートが楽天プレミアムカードのほうが安いので、僅かな差ではありますが、楽天プレミアムカードのキャッシングを利用するほうがお得なのです。
このキャッシングの方法や理屈は、こちらの記事で解説しているので合わせてご覧下さい。
※ちなみにこのキャッシング機能は、普通の楽天カードでも同じく使えます。
④楽天ポイントカードを貯めて、日本での宿泊に利用(楽天トラベル)
楽天プレミアムカードは楽天のサービスですから、当然ながら楽天ポイントも付与されます。
国内での買い物だと100円で1ポイント、海外での買い物でも、円換算した場合に100円で1ポイント換算されるので、海外での買い物、旅行関係の決済などでコツコツとポイントを貯めれば、それを楽天ポイントとして使うことができます(キャッシングの場合、ポイントは付きません)。
僕は、国内でホテルを利用するときに必ず楽天トラベルを使って、ポイントを使える場合はそれで割引をしてもらって宿泊をしています。塵も積もれば山となる、という諺どおり、毎月5万円分の支払いを楽天プレミアムカードですれば、半年間で3000ポイント。帰国時に空港近くのホテルで1泊するときの割引として使うには十分でしょうか。海外に行く際の航空券を買えば、更にポイントが貯まります。
あくまでおまけ要素が強いですが、楽天ポイントもコツコツ貯められるのが楽天プレミアムカードの魅力です。
⑤90日間の海外旅行保険が自動付帯
もう1つ、クレジットカードで一般的な海外旅行保険も、もちろんカバーしてくれています。
楽天プレミアムカードの場合、疾病治療費用で300万円、携行品損害で50万円など、無料のクレジットカードよりサポートは手厚くなっています。また、「自動付帯」という仕組みになっていて、出国日(日本出国スタンプをパスポートに押してもらった日)から自動的に90日間このサービスが付くので(保険金を請求するときに、このスタンプが証拠として必要)、海外長期世知生活でも、最初の3ヶ月はこのカードの保険だけでとりあえずなんとかなる、と考えても大丈夫です(もちろん、きちんとした保険に加入して手厚くしておく必要もあります)。
普通、海外長期生活での旅行保険は、保険会社のプランを利用しますが、それとは別に裏ワザとして知っておいて欲しいのが、「クレジットカード保険の組み合わせ」です。海外旅行保険には、この楽天プレミアムカードのような、渡航日から自動的に付帯する「自動付帯」と、クレジットカードで公共の交通機関のチケットを買ったときに、その購入日から90日間適用される「利用付帯」の2種類がありますが、これらを組み合わせれば、
・最初の90日を自動付帯→次の90日を利用付帯→次の90日を別のカードの利用付帯→次の90日をまた別のカードの利用付帯…
と、クレジットカードの保険で最低限の保障をカバーすることも可能です(念のため、バラがけで部分部分だけ保証を手厚くするのがオススメです)
利用付帯の年会費無料クレジットカードとしては、リクルートカードや三井住友VISAカードがあります。こちらも合わせて持っておいて損はありません。
まとめ:これだけのサービスで10000円+消費税は安い
クレジットカードと言うと、普通は貯められるポイントなどを重要視しがちですが、海外で暮らすのであれば、年会費をいくらか払っても、しっかりと付帯サービスが付いてくるものを選ぶのが正解です。
この、楽天プレミアムカードよりも年会費が高く、サービスが更に充実しているゴールドカードやプラチナカードも沢山ありますが、初めの第一歩としては、比較的安価でサービスの充実の楽天プレミアムカードを徹底的に使ってみるのが間違いのない選択肢。
僕も4年ほど使っていますが、楽天プレミアムカード1枚あれば、日々の暮らしが一段、確実に豊かになります。まずはこのカードを通して様々なサービスの利用経験をしてみてから、更に上級のカードを調べてみるのが間違いのないカード選びです。
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