SIMフリーiPhoneを海外で使う時はデータローミングに注意!
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ポーランドで生活をしていたときには、ポーランドのSIMカード(Orange)をSIMフリーのスマホに挿して使っていました。ただ、先日のキエフ旅行の時に喰らってしまったのが、「スマホでのデータローミング」の設定による、無駄な通信コストでした。

このブログでは、まずヨーロッパのSIMカードを使って、ウクライナで通信をしたときに僕が経験したトラブルについてまとめて、次に、日本の通信事業者のプランでスマホを使っているときに、海外でどのような設定にすればいいかを、そして最後に、EU圏内で2017年に採用された「共通データローミング通信」についてまとめておきます。

目次

データローミングとは?

日本でスマホを使っている方は、一度はこの言葉をお聞きになったことがあると思います。簡単に言えば、通信事業者(日本だと例えばSoftbank、NTTドコモ、au)の回線を使用してインターネットや通話をすることで、例えば、海外に行っても通話・インターネットができる場合、この「データローミング」を使ってしまう可能性があります。

データローミングが恐ろしいのは、日本の事業者と契約している場合、「日本からの国際通話・インターネット料金が適用されてしまう」ことです。簡単に言えば、高いお金が請求されてしまいます。

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SIMフリーiPhoneでもデータローミングは当然ながら発生します

実は僕、この「データローミング」について、今まで知っていたようで知っていなかったんですね。というのも、今ポーランドで生活している間はorangeという通信事業者と契約しているのですが、「別の国に行ったらどうせ圏外になるだろう」と思っていたのです。つまり、ウクライナに飛んだら通話・インターネットはできないので、空港でWi-Fiを拾ってとりあえずネットに繋いで、メールを確認したりすればいいと思っていました。

が、キエフの空港についてiPhoneの機内モードをオフにしてしばらくすると、以下のようなSMSが届きました。

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これ、「ウクライナでインターネットや通話をすれば、これだけのお金がかかりますよ~」という通知なんです。

この時は、「ああ、通話かSMSをすればお金がかかるんだな。でも国際電話なんてしないから関係ないや」と思っていたのですが、これが落とし穴。

この写真の2通目のSMSにあるように、実は、orangeの回線をウクライナで使うと(というよりは、ウクライナの通信事業者が提供しているインターネット回線を、ポーランド経由で利用するようなイメージ)、50KBのデータをやりとりするだけで、約31ズロチ(900円)もかかってしまうのです!このデータ通信量は、LINEのメッセージを受信する、Twitterのタイムラインが少し流れるくらいで、すぐに使ってしまう量です。

実は、空港に到着して変な客引きに遭うこともなくキエフ市内へのバスに乗れたので、この時完全に安心してしまったんですよね。なので、この「インターネットを使ったときのコスト」のSMSをきちんと確認しておらず、しかも、知り合いが同じ宿に泊まっているので、そこへの行き方についてLINEでやりとりをしてしまいました。

この時、僕はてっきり「orangeのスマホだと海外でもインターネットができるんだ、サクサク動くし快適だ~」と思っていたのですが、これがまさしく、「データローミングを使った国際インターネット通信」そのもので、50KBのデータをやりとりするごとに、31ズロチものお金がかかってしまっていたのでした…。

すぐさま異変に気づく

その後、バスが市内に向けて出発してから、異変に気づきました。

TwitterやLINEのアプリを開いてみても、ロードに時間がかかる印が出てきて、どうやらインターネットに繋げない状況になったことに気づきました。

この時にようやく、僕は「ああ、これはデータローミングに引っかかってしまったんだな」ということに気づいたのです。

そして、先ほど紹介したSMSを確認して、その通信コストにぶったまげました(最初、50KBで3ズロチだと思っていたので…。桁が1つ違うんですよね)。

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プリペイドSIMだったことが不幸中の幸い

ただ、ポーランドで使っていたSIMがプリペイド式だったのが幸いしました。こちらの記事にも書いたように、僕が先日チャージした金額は100ズロチで、これで5ヶ月間SIMが使えるというもの。つまり、僕のSIMには100ズロチがチャージされていたことになります。

キエフ行きのバス車内でインターネットが遅くなったのは、この「チャージした100ズロチ」分の通信量を既に使ってしまったからでした。まあ、150KBしか通信できないわけですから、すぐに通信できなくなるわけです…。

ところで、日本で月額制の契約をしている場合、今回の僕のように「使える金額が決まっている」わけではないので、同じような状況になると、海外でも通信はできるのですが、インターネットをすればするほど、通信料がかさんでいってしまいます。つまり、僕のようにプリペイドSIMを使っていれば、チャージ残額がゼロになれば自動的に通信はできなくなりますが、プリペイド式じゃない場合、基本的に無制限に通信ができてしまうので、何も気づかずにインターネットを使いまくっていると、翌月の請求額が昇天するほどになっていた、なんてことになりかねません。

では、このデータローミングが使えないようにすればどうすればいいか。以下でその設定方法をまとめておきます。

データローミング設定をオフにする方法(iPhoneの場合)

まずは、トップ画面で「設定」を選択します。

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続いて、「モバイルデータ通信」という緑色のアイコンを選択します。

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すると、「モバイルデータ通信のオプション」という欄があるので、これを選択します。

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すると、「データローミング」という欄があって、通常はこれが「オン」になっているので、「オフ」にします。

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これにより、通信事業者の回線を使った通信ができなくなります。つまり、ホテル等のWi-Fiを使ってのみ、インターネットに接続をすることができるので、余計なコストがかからなくなります。

この設定にすることで、僕はキエフの旅行中はデータローミングをすることなく過ごせました(といっても、チャージした全額を使い切った後でしたが)。

実は、去年の冬まで僕はスマホを使ったことがなく(それまではiPod touchやiPadだけを使用)、データローミングについては聞いたことはあったんですが、それがどういうものかはしっかりと理解できていなかったんですよね…。いやあ、100ズロチ(2700円)で良い経験が出来ました。

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ポーランドに戻ってきてからは、再チャージしなければいけないのか?

実は、ポーランドに戻ってきてから再びデータローミングをオンにして、国内ではorangeの回線を使って通信ができるかを確かめてみました。万が一通信できなかったら、また100ズロチくらいチャージしないと…と思っていたのですが……

実は、問題なく通信ができるんですね、これが。

というのも、これは使う業者やプランによって異なるのですが、僕の場合は、

・決まった金額をチャージすれば、それに応じた期間SIMを使うことが出来る(今回の場合は100ズロチで5ヶ月)
・インターネットは、期間中に容量制限に達するまでは追加費用無しで利用可能(僕の場合、5ヶ月間で36GB)
・通話/SMSは、ポーランド国内大手との通信事業者間では無料(固定電話や一部の携帯電話番号にかける時のみコストがかかり、その費用はチャージ額から差し引かれる)

というルールになっているので、インターネットに関しては、チャージ額がいくらであろうが関係なく、容量制限に達しない限り問題なく使えますし、電話も、自分から会社や誰かの自宅(携帯電話じゃない)に電話をしない限り、期限までは無料で使うことが出来ます。つまり、国内での通信にはほぼ影響がないということですね。いや、神がかりすぎでしょ。

というわけで、ワルシャワに戻ってきてからも相変わらず快適にスマホを使うことが出来ています。

日本の通信事業者のスマホを海外で使う場合

ここからは、この記事を読んで下さっている多くの方の状況、つまり「日本の会社とスマホを契約して、海外旅行で使う場合」についてまとめておきます。

まず、日本の大手通信事業者とスマホを契約している場合、普通に通信ができる設定にしていると(機内モードにしていない場合など)、海外でも、僕がウクライナで経験したように「データローミング」によって「海外にいながら、日本の通信事業者関係の電波を使って通信」することになります。

ですので、どのようなプランでスマホを契約しているかによりますが、日本から海外旅行に行ったときに、普通にアンテナをたててスマホを使うと、データ通信量と金額がとんでもないことになって莫大な金額が請求されることが起こり得ます。ただし、格安SIMなど、一部のSIMでは、海外に言ってアンテナを立てようとしても「圏外」になります。その場合は高額な請求の心配はありません。

余計なデータローミングを防ぐには

データローミングを防ぐ一番確実な方法は、上の僕のケースで書いたように「モバイルデータ通信」の欄をオフにすることです。これによって、たとえアンテナが立っていても、スマホ画面に「3G」や「LTE」といった表示は出なくなって、絶対にインターネット通信は行われません。同じような設定方法で「機内モード」もありますが、機内モードにすると電話やSMSのやりとりも行うことができません。

海外で「モバイルデータ通信をオフ」にすると、電話とSMS(電話回線を使ったショートメッセージ)は使えるので、万が一の緊急事態に日本に国際電話をする、あるいは現地でホテルや警察などに連絡をするときには、機内モードに設定しないほうが便利です。

また、海外旅行中にインターネットに接続したい場合は、ホテルなどのWi-Fiを拾えばいいですが(機内モードに設定しても、別に「Wi-Fiをオン」にすることで、Wi-Fiには接続できます)、Wi-Fiに繋げない街中などで地図を確認したり、現地情報を調べたいときには、日本から海外旅行用ポケットWi-Fiをレンタルして持参するのがいいでしょう。



2017年から始まった「EU圏内の共通ローミング料金設定」

最後に、ヨーロッパを旅行する、あるいは現地で生活をして、現地のSIMカードを使う方向けの情報としてこちらについてまとめておきます。

2017年の初め頃まで、EU圏内でSIMカードを購入した場合、別の周辺国でデータ通信をすると、通信料金が高くなってすぐにチャージがなくなる、あるいは高額な請求が課される、ということがありました。

例えば、ポーランドでSIMを購入して周辺国のチェコやハンガリーに行って、普通にデータ通信をした場合、ローミング料金が「外国での通信」になってしまい、ポーランド国内でインターネット接続をするときよりも、費用がかさんでしまうことが一般的でした(僕がポーランドからウクライナに旅行をして、一瞬でチャージが切れてしまったようなイメージです)。

そのため、2017年初め頃までは、SIMカードを購入した国以外のヨーロッパの国に旅行をする場合でも、日本から海外に旅行をするのと同じように、「機内モード」にするか「データローミングをオフ」にするかして、不必要な料金請求を避ける必要がありました。

しかし、2017年のルール改正で、「SIMカードを購入した以外の国でデータ通信を行っても、購入した国とほぼ同じ料金が課される」というものに変わりました。

つまり、ポーランドでSIMを買ってチェコに旅行をした場合でも、チェコでインターネットを使えば「ポーランドの通信事業者の料金プラン」が適用されることになり、国内の料金より若干値上がりはしますが、全く痛手を被らずに国外でもデータ通信ができるようになりました。実際に僕は、ポーランドからハンガリーに引越をして生活をした時に、ときどきポーランドのSIMカードを挿入してハンガリー国内で通信を行っていましたが、数週間~1ヶ月ほどは持つような設定になっていました(ホテルやアパートでWi-Fiを併用して使った場合)。

そのため、2017年のルール改正以降は、「通信料金プランが廉価な国でSIMを買うと、国外に行ってもお得」という状態になっています。これは、ポーランドでSIMを購入してフランスに行ってもポーランド料金で通信ができるのに対して、フランスでSIMを購入してポーランドに旅行をすると、フランス料金で通信をすることになってしまう、ということです。SIMカードのプランはいわゆる東欧(ポーランドやハンガリー)が安いため、これらの国に留学やワーホリ、駐在で生活をしてSIMを準備すると、何かと恩恵を受けられるというわけです。

(通信事業者やSIMのプランによっては、国外での通信ができない場合もあるので、契約時にきちんと確認しておきましょう)

データローミングを理解して上手く付き合おう

今回は、僕がデータローミングを理解しておらずに経験してしまったことと、データローミングの基本的な考え方、そして欧州圏内(EU圏内)のSIMを使って別の圏内の国でデータ通信をするときのルールについてまとめました。全てをきちんと理解する必要はありませんが、正しい知識を持ち合わせていれば不必要なトラブルは避けられます。ぜひ参考にして下さい。


※日本から海外渡航する際、楽天モバイルのUN-LIMITを使うと、データローミングを心配する必要がなくなりました。

詳しくはこちらの記事にまとめています。

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