チューリヒ空港での免税方法(機内持ち込み手荷物)は驚くほど簡単。その方法まとめ
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ヨーロッパを旅行して帰国するときに、買い物をするなら利用したいのが「免税手続き」。

国によって異なりますが、その国で本来払うべき付加価値税(VAT)を全額、あるいは一定額免除して買い物ができるという制度です。「免税」というよりは、「先に払った付加価値税を払い戻してもらう」という、「払い戻し」という表現のほうが適切かもしれませんが、いずれにせよ、付加価値税率の高い欧州各国では、高額な買い物をしたときにはこれを利用しない手はありません。

スイスの場合、VAT率は7.7%と、他の国に比べて随分低め。とは言っても、もともとの物価が驚く程高いため、そこまで恩恵にあずかれるかどうかは微妙な問題ですが、日本で収めている消費税とほぼ同じ額を払い戻ししてもらえる、というのは、知っておいて損はない制度ですよね。

僕は先日スイスのチューリヒに行ったときに買い物をして、チューリヒ空港を利用した際に免税手続きを行いました。機内持ち込み手荷物限定ではありますが、ここではその方法を紹介したいと思います。

※ヨーロッパの免税手続きの流れについて、大枠+注意点をこちらの記事でまとめています。合わせてご覧下さい。

目次

非EU国のスイス。免税手続きのタイミングは「国外出国時」

ヨーロッパの付加価値税還付の制度は、基本的には「EU圏外から圏内に出る最後の国(空港)で手続きを行う」ものになっているため、ヨーロッパ数カ国を旅行する方にとっては、やや面倒くさい制度になっていると思います(どの国がEU加盟国なのかを知っておかないといけないため)。

ただ、スイスは永世中立国であるためEUにも属しておらず、免税手続きをするタイミングは「スイスから周辺国に出る」際、つまり目的国を問わず「スイスの外に出る」際に、この手続きをしないといけません。

つまり、スイスの次の目的地がヨーロッパの別の国であっても、日本への帰国であっても、とにかくスイス国内で買ったもので、免税対象になるものの手続きはスイスでするということを覚えておきましょう。

なので、飛行機でもバスでも鉄道でも、どの方法をとっても国外出国時に手続きをする必要があります。

バスや鉄道の場合、国の外に出る駅に税関があるのでそこで手続きをしますが、この方法は面倒なので、もし免税での買い物も主な目的でスイスを訪れる場合、他の国との移動は飛行機(LCCなど)にしたほうが安心かつ確実と言えます。

また、これは半ば裏ワザ的な情報ですが、スイスの免税対象者は「国外に住んでいる」人なので、ヨーロッパの他の国に住んでいる人でも免税の対象になります。これも、覚えておいて損はないでしょう。

免税の手続きをするには(買い物時の注意点)

スイスで免税にて買い物をしたい場合、購入金額の下限は300スイスフラン(約3万3千円)となります(一店舗での購入金額)。また、買った商品を1ヶ月以内にスイスの外に持ち出す、という条件も合わせてあります。

よく、免税で買うには「商品は新品未使用でないといけない」と言われますが、これは商品のジャンルや他の条件によって変わります。衣類などは着用して持ち出すこともできるので、これについては、買い物のときにスタッフさんに聞いてみるといいでしょう。

これ未満の金額の買い物では、免税手続きは一切受けられないので注意して下さい。

買い物時は、「tax refund please」や「I want to refund tax」のように、買い物をする際にスタッフさんに伝えれば必要な書類を準備してくれて、流れも分かりやすく説明してくれます。

なお、付加価値税の還付額(還付率)は、商品のジャンルや店舗によって異なります。付加価値税7.7%の全てが返ってくるとは限らない、ということは注意しておきましょう。いくら返ってくるのかも、買い物の際に聞いておくといいですね。

免税手続きのために渡される書類の書き方も店舗によって異なると思うので、お店で説明されるとおりに従えば問題はないと思うのですが、僕の場合は以下のような流れで買い物と還付手続きのための書類を準備しました。

①購入する商品を伝えて、その時に還付手続きをしたい旨を伝える

②パスポートを渡して、スタッフがコピーを取って返却

③還付金額が書かれた書類を渡して、必要事項を記入するように指示(クレジットカードへの返金の場合は、カード番号を記入。キャッシュの場合はそちらにチェック、などの処理。分からなければスタッフさんに遠慮せずに聞きましょう)

④書類を専用の封筒に入れてもらえ、スイスから出国する際に

・商品そのもの

・パスポート

・封筒に入った書類

の3つを、税関のスタッフに渡すように指示

⑤買い物を終えてお店を出る

というものでした。

なお、これは僕が買い物をしたお店が特殊だったのかもしれませんが、僕の場合、買い物時には「商品を免税価格でクレジットカードを使って購入」し、その後、「免税手続きが上手くいかなかった時に付加価値税を別に払う」ため、税金分をデポジットとして別のカードで仮決済しました。

この時点で、付加価値税の支払いは行われませんが、免税手続きを購入日から1ヶ月以内にしない場合、その後でデポジット分がカードに正式に請求される、という流れ、というわけです。

他の国やお店では、普通は「税込み価格で商品を買って、後でクレジットカードに付加価値税分の金額が払い戻し」となるので、今回僕が経験した方法は、やや特殊に思えました。

免税の手続きをするには(空港編)

チューリヒ空港で、「機内持ち込み手荷物」の免税手続きをするには、保安検査を通り抜けてから税関に行く必要があります。

一応、チューリヒ空港の公式サイトにも日本語で案内があるのですが、

チューリヒ空港に保安検査場は1箇所しかないので、そこを過ぎてから右手に進んでもう一度右折すると、税関に行くことができます。

(上の図では赤の破線で案内されていますが、この破線は免税書類を提示する代行業者(Global Blue)のデスクへの行き方を示しているので、間違えないようにして下さい)

まず、保安検査を過ぎると

税関(Customs)という案内があるので、それに従って進んでいきます。

この扉の向こうが税関です。

中は撮影禁止なので写真はありませんが、商品と書類、そしてパスポートを見せて、無事スタンプをもらって終了。

なお、これは上で書き忘れていましたが、今回の僕の場合は「押印されたスタンプを、税関の後にある黄色いポストに投函する」ことで手続きは全て終了したのですが、これが、Global Blueの代行業者を利用しての免税手続きの場合は、スタンプをもらったらGlobal Blueのカウンターに行って、カードへの払い戻し手続きをしてもらう必要があります。

僕が今回利用したポストはこれ。

Global Blueの場合、カウンターに行って書類を提出してそこで終了。

なお、Global Blueの書類は、書類を提出した国の通貨で還付手続きが行われます。スイスで提出した場合、キャッシュでの還付であればスイスフラン。カードへの返金であれば、カード会社での為替レートにてスイスフランで計算をして、日本円で返金処理が行われます。

Global Blueの書類は日本に持ち帰って、空港のカウンターあるいはポストに投函しても構いません。日本でキャッシュ返金だと、Global Blue独自の為替レート、あるいは空港の為替レートが適用されると思うので、あまり得ではないかなと思います。

いずれにせよ、ここまでの手続きをすれば数千~数万円の付加価値税分が手元に返ってくるわけですから、利用しない手はないかと思います。

上手く利用したいスイスの付加価値税還付

スイスはEU圏外のため、日本人旅行者にはもちろん、スイス国外に居住している人にも付加価値税還付の制度が適用されるのがうれしいところ。物価の高さと付加価値税率の低さ故に、支払った金額に対して返ってくるお金の額はそこまで大きくはないと思いますが、買い物によっては数万円ほどお金が手元に戻ってくるので、これを利用しない手はないでしょう。

なお、スイスで免税手続きを受けられる空港は今回紹介したチューリヒ以外にジュネーブ、そしてバーゼルの3空港があります。

また、これは余談ではありますが、ヨーロッパ主要国の中でEUに属していない国としてはこのスイス以外にノルウェーとアイスランドがあります。これらの国は全てシェンゲン協定に加盟しているので勘違いしやすいですが、国境審査がなくても、これらの国で免税手続きを受ける際は、国を出る時に手続きをする必要があるので、そこはお間違えなきように。

<他の空港でのタックスリファンドについてはこちらにまとめています>

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