ベラルーシに来たら、誰もが行きたいと思うのが世界遺産のミール城とネスヴィジ城ですよね? ベラルーシの名前を知っている人であれば、ほぼ必ず、これらのお城の名前は知っているはず。
僕も、5日間のベラルーシ滞在では「ミール城とネスヴィジ城は必ず行きたい!」と考えていて、自力で行く方法も調べていたのですが、公共交通機関の関係で、1日で両方のお城を回るのは無理………という情報を見つけて、落胆していました。
が、調べれば色んな手段があるもので、ベラルーシのビザ無し滞在制度ができてからだと思いますが、国内を日帰りから数日かけて回れる、英語のツアーが多く存在するようで、旅行日数が限られていることもあって、思い切ってツアーを利用してみることにしました。
今回は、そんな現地ツアーを利用してミール城・ネスヴィジ城に行く情報をまとめておきます。
目次
利用したツアー会社はTOPBElARUS(他にも多数あり)
英語で「Belarus tour company」などで検索すると色んなツアー会社がヒットしますが、僕が今回利用したのが、Topbelarusというツアー会社。
他のサイトも見ていましたが、見やすいウェブサイトと分かりやすいツアー情報が決め手になって、ベラルーシ旅行直前でしたがツアーに申し込みました。
トップページから「Excursion and Tours」の画像をクリックすると、ツアー一覧を確認することができます。
このツアー会社が催行しているミール城・ネスヴィジ城ツアーは2つあって、
・毎週木曜開催のAncient Towns of Mir and Nesvizh (conducted in English) (46USD)
・毎週日曜開催のFWN Architectural and historical monuments of Mir and Nesvizh (45USD)
曜日限定なのが辛いところ。ベラルーシのビザ無し滞在は「5日間」が一番簡単なので、渡航スケジュールをこのツアーに合わせられるのであれば、木曜か日曜にミンスクにいるスケジューリングでチケットを取れれば、言うことなしですね。
これら2つのツアーの中身はほぼ同じで、違うのは、Ancient...のツアーにはお土産が含まれているようです。僕が利用したのは、、渡航スケジュールの都合で日曜日のツアーでした(金曜にミンスク入りして、火曜にミンスクを出国だったので)。
ツアーの問い合わせ、申込から支払まで、全てメールで完結
さて、このツアー会社が良かったのは、問い合わせから申込完了までの流れがとてもスムーズだったこともあります。
まず、ツアーの詳細がかかれたページの左下部分に問い合わせメールアドレスが書かれているので、そこに「今度の日曜のツアーなんですが、参加できますか?直前の問い合わせですみません」みたいな本文を入れて問い合わせをすると(この問い合わせをしたのが、出発する週の水曜、つまりツアーの4日前)、2時間ほどで返信が来て、ツアーは参加可能であることと、もし参加するならインボイスとオンライン決済のリンクを送る、という内容でした。
このやりとりで、インボイスを送ってもらってクレジットカードで決済を済ませたら申込完了。45米ドルで、決済時で6000円くらいの料金でした。
注意点として、オンライン決済サービスのページが全てベラルーシ語(キリル文字)表記で、ちょっと訳分からない場合があると思うのですが、普段クレジットカードでオンライン決済をしている人であれば、カード番号、氏名、セキュリティコードの入力などをするお馴染みのUIなので、そんなに心配することもないと思います。
これで、期限までに決済を済ませると無事に申込完了(ベラルーシ語で決済ができた旨を知らせるメールも届きました)。最初、本当にこんな手続きで申込できたのか、ただの詐欺なんじゃないか、とも思いましたが(苦笑)、決済が終わった翌日に、きちんと担当者から「申込ありがとうございます」という連絡が届きました。いやはや、一安心。
ミール城・ネスヴィジ城ツアーの概要
さて、無事に申し込めたツアーの概要は以下のとおり。
①朝9時にベラルーシホテル(ガスチーニッツァ・ベラルーシ)に集合(ちょっと遠い)
②バス移動、入場料、昼食代が料金に含まれている
③ミンスクに戻るのは19時頃。距離の割にツアー時間が長い
特に、①のツアー集合場所(ベラルーシホテル)が厄介で、メトロの駅からも遠く、Google mapで調べてもトラムとバスの経路が表示されません。
僕は泊まっていたホテルから徒歩30分くらいの距離だったので歩いて行きましたが、ツアーに遅れると意味がないので、土地勘がない方、不安な方は迷わずにヤンデックスタクシー(配車アプリ・Uberみたいなもの)を使うといいでしょう。
ヤンデックスタクシーについては、こちらの記事(本文なかほど)で解説しています。
朝9時にホテルの入口に集合。ロシア語ツアーとバスは一緒
ツアーの参加者は、朝9時にホテルの出入り口に集合です。この建物がホテルで、なかなか立派。ただ立地は不便という………。
ここで、英語ガイドの人と合流して、参加者確認をして出発なのですが、参加者人数の都合で、ロシア語のツアー参加者と同じバスに乗ることに………。英語ツアーの参加者は4人だけでしたが、ロシア語ツアーの参加者が15人ほどいました(ロシア人はベラルーシにビザ無しで旅行できて、今でもベラルーシを訪れる旅行者の大部分はロシア人らしいです)。
英語のツアーでしたが、バスの移動中はロシア語ガイドがロシア人向けに全部ロシア語で案内をしていて、何を言っているか皆目見当もつかず。道中暇になるかもしれないので、スマホをネットに繋げるようにしておくか(空港でSIMが買えます)、本を持参するかして、時間つぶしができるようにしておくのがいいと思います。
ちなみに、ツアーに参加した日に別の英語ツアー参加者が遅れて、ホテルまで拾いに行くというトラブルがありました(笑)
まずは定番のミール城へ
ツアーバスが向かった先は、ベラルーシで一番有名な世界遺産・ミール城。正直、自力でだとミール城だけは日帰りで訪れられるので、ここだけ行く旅行者も多いと思います。
ミンスクを出てから約1時間30分で、ミール城のあるミール村に到着。バスはお城の近くではなく、ちょっと距離のある街の中心に到着。ここで正教会、カトリック教会を見ながらミール城まで歩いて行き(徒歩5分くらい)、お城の中に入っていきます。
ベラルーシ、ポーランド、リトアニア辺りには「レンガ造りのお城」が多く存在しますが、この造りには独特の美しさがありますね。
なお、ミール城への入場料自体は無料なのですが、展望台に行きたい場合は別途4ベラルーシルーブル(210円)を払う必要がありました(ガイドさんが窓口まで行ってくれて、手伝ってくれました)。
驚くほど急な螺旋階段を上り下りして、回廊(廊下)を歩いていたら、ミール城で割り当てられた自由時間の45分があっという間に経過。
ツアー利用の欠点は自由行動の時間が少ないことですが、日帰りで欲張ったプランになっているので、こればかりは致し方ないところ。
結局、45分でお城周りの写真を撮って、展望台にも上って、やや時間不足になりました。展望台は正直、そこまできれいな景色が見えるわけではないので、お土産を見てみたい人や、写真を撮りまくりたい人は行かなくてもいいでしょう。
見学が終わると、今度はお城の近くにある駐車場まで移動。自由散策時間になる前に、駐車場の位置はガイドさんが教えてくれました。
この、ミール城から駐車場に向かうまでの、湖とお城がワンフレームに入る景色がなかなか見応えあり。水鏡になるのもまた趣がありますよね。
駐車場でバスに乗り込んで、30分くらい移動して次の目的地、ネスヴィジに到着です。
ネスヴィジに着いたらまずは遅めの昼食
ネスヴィジに着いたら、お昼時を過ぎているので街中のレストランに入って昼食を頂きます。これももちろん、ツアー代金に含まれています。
レストランはネスヴィジ城の近くにあった、本格的なお店。ここでベラルーシの典型的な料理を一式頂きました。が、黒パン(ライ麦パン)、ビーツ、ボルシチ、カツレツのような肉料理と、ポーランドで暮らしていた身としては特に新鮮味のないメニューでした…。
シベリア鉄道以来のサモワール。
ベラルーシ、ウクライナ辺りが発祥の地である、ボルシチ。
単なる肉料理じゃなくて、トマトとチーズが乗っているなかなかこってりな料理………。ポテトもミルクを含んでいるので、胃に溜まるんですよね。
こちらはデザートのケーキ。
昼食に45分くらい使って(料理は一品ずつ出されました)、ここからネスヴィジ城まで移動。本来は徒歩移動なんですが、ちょうど通り雨(というかゲリラ豪雨)に見舞われて、バスでの移動になりました。
ネスヴィジ城はガイドさんが色々と解説
ネスヴィジ城は元々、ラジヴィウ家という一族が居城のために構えた建物で、日本語では「ネスヴィジ城」と言われますが、正式にはどちらかと言うと「ネスヴィジ宮殿」と言ったほうが適切だと思います。先のミール城が、敵からの侵略を防ぐために造られたものである一方で、このネスヴィジ「城」は、あくまで一族の住まいであり、その権力を示すために建てられたものでした。
ネスヴィジ城の入場料もツアー代金に含まれています。ここは、敷地内に入るときと、建物の中を見て回る時の2回検札があるので、チケットを紛失しないようにしないといけません。
ちなみに、普通にチケットを購入する場合(1人で来る場合)、料金は14ベラルーシルーブル(730円)でした。クレジットカード使用可能。ベラルーシは田舎町でも、観光施設ではほぼクレジットカードが使えるのが有り難かったです。
ネスヴィジは、中世は「ルブリン合同」でできたポーランド=リトアニア王国に属し、その後ポーランドが分割されるまではポーランド領で、その後はロシアに編入。第二次世界大戦のときにナチスがポーランドを侵攻すると、この地域はソ連に併合されていわゆる「東側」に属しました。この地域も、地政学的に見るとなかなか興味深い場所です。
建物の中は豪奢な調度品が数々。ガイドさんが言っていましたが、当時(中世)は居城(建物)を持っていないと市民権を得られなかった(?)ようで、元々こういう建築が造られたいきさつとしては、こういう理由があったようです。
ネスヴィジ城の中に入る際には、靴にビニルカバーを付ける必要がありました。サンダルとかヒールより、普通の靴のほうが便利かもしれません。
これは20世紀、つい最近の調度品(?)のようで、近くで取れた野生動物の剥製も多く飾られていました。あとはなぜかビリヤード台も………。
クマとかトナカイの剥製って、ヨーロッパではラップランド(フィンランドの北極圏)特有のものだと思っていたので、まさかベラルーシで見られるとは思っていませんでした。
一通り館内を見回ったら、散策は終了。残った時間は敷地内や周辺の散策に使って、僕たちのツアーは17時30分に、バスを降りた場所に集合となりました。
ネスヴィジ城の見学には合計で2時間半ほど使いました(確か、15時頃に見学を開始しました)が、ネスヴィジ城の周辺には緑地公園や池が沢山あって、これらを全て回るにはやはり時間が足りないか………という印象でした。
また、バス乗り場とネスヴィジ城との間には、第二次世界大戦の戦死者を祀る石碑と墓地もありました。ここは時間がそこまでなくても、お城と合わせて見て回ることができます。
結局、時間どおり17時半頃にバスに乗り込んで、19時頃にミンスクに戻ってきました。
帰りは直接ベラルーシホテルに向かうのではなく、鉄道駅などいくつかのポイントに立ち寄ってくれて、ホテルにアクセスのよい所で下ろしてもらえました。
まとめ
結局、移動を含めて10時間強の長い長いツアーとなりました。距離で考えるとそこまで遠くない場所なのですが、移動もラクチンで、詳しく説明してくれるガイドさんもいて、1日で2つの世界遺産を回ることができるという意味ではなかなかお値打ちなツアーでした。
ガイドさんの説明を理解するには、中世のポーランドやリトアニア、3回にわたるポーランド分割、そして第二次世界大戦の流れをある程度知っておかないとちんぷんかんぷんかもしれませんが、個人的には、ガイドを付けず1人で旅をして、きれいな景色を見るだけで終わるよりも、1つでも多くのことを学べるツアーのほうがよいのではないか、と思います。
なお、今回利用したTopbelarusでは、曜日限定ではありますが、
・ベラルーシ側から回るチェルノブイリ立ち位置禁止区域ツアー
・第二次世界大戦で「ハティニ大虐殺」の舞台となったハティニ村を日帰りで回るツアー
・だだっ広いミンスク市内をバスで回る日帰りツアー
・週末3~4日を使ってベラルーシの見どころ詰め合わせを回るツアー
など、多くのパッケージを利用することができます。ベラルーシはキリル文字圏で、知識がないと文字も読めない、公共交通機関もそれほど発達していない場所なので、もし興味のある場所にツアーで行けるのであれば、積極的に利用するのが賢明かと思います。
僕も、次回ベラルーシに行く機会があれば、今回行けなかったハティニ村などにツアーを利用して行ってみたいと思います。
スポンサードリンク
ちと被害妄想ではないですか。物価目当てで訪れる日本人が増えても最初のきっかけにす…