ノルウェーの二大自然絶景ポイントと言えば、「トロルの舌」と今回紹介する「プレーケストーレン」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
これらは共に、大自然が作り出したフィヨルドの断崖絶壁に沿って景色を楽しむ、ノルウェーならではのエンターテインメントスポット。
トロルの舌とプレーケストーレンの2つを比較すると、行きやすさだけを考えれば実は、断然プレーケストーレンのほうが簡単なんです。今回はそんなプレーケストーレンの魅力と、そこへの行き方をまとめました。
目次
プレーケストーレンは拠点のスタヴァンゲルから1日でいける
これらの二大フィヨルド絶景ポイントを比較すると、トロルの舌は北海沿いのベルゲンから2泊以上の工程、あるいは南のスタヴァンゲルからも同様に、トロルの舌の入り口となる街での宿泊を必要とし、かつ、トレッキング時も登山をするのに準ずる、本格的な服装や装備をする必要があるため、登山経験者であることが好ましい、やや難易度が高めのコースになっています。
それに比べてプレーケストーレンは、拠点となるスタヴァンゲルから十分日帰りでの訪問が可能で、服装もトレッキングに必要な最低限の装備にすれば問題ないため、初心者にもそこまでハードルが高くないコースになっています。これら2つのどちらかを選ぶのであれば、僕は断然、プレーケストーレンをオススメします。
プレーケストーレン自体は、リーセフィヨルドの断崖絶壁の一部にトレッキングで行くことができる場所で、地上から604mの位置にある断崖から、美しいフィヨルドを眺める場所となっています。
なお、スタヴァンゲルは北海沿岸の港湾都市で、首都のオスロからも鉄道や飛行機を使って移動することができます。スタヴァンゲルと周辺都市の間にもフライトが就航しているので、スタヴァンゲルに行くこと自体、そこまで難しいことがないのもプレーケストーレンのハードルが低い1つのポイントです。
なお、このプレーケストーレンの旅行ですが、ここで紹介する公共交通機関を利用する場合、4月13日~9月30日(2019年の場合)の半年しか利用できません。これ以外の半年はオフシーズンになり、冬期は積雪もするようで、プレーケストーレンに行くこと自体は不可能ではないのですが、入り口となるプレーケストルヒッタまでは自力でアクセスする必要があります。
プレーケストーレン旅行に必要なのは移動チケットと最低限の装備
さて、続いては事前準備として、スタヴァンゲルからプレーケストーレンに行くためのチケット類や装備の準備について解説します。
スタヴァンゲルとプレーケストーレンは、いくつかの移動手段を組み合わせて移動することができ、その方法は、
スタヴァンゲル~タウ:船(フェリー)
タウ~プレーケストルヒッタ(プレーケストーレンの入り口):バス
プレーケストルヒッタ~プレーケストーレン:徒歩
というもの。
このうち、スタヴァンゲル~プレーケストルヒッタの、公共交通機関での移動については、事前にチケットを購入しておく必要があります。
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準備①:船とバスのチケットをGOfjordsで購入
さて、最初に準備したいのが、船とバスのチケットの購入です。これは、当日スタヴァンゲルの船着き場でも買える(ここで紹介する旅行会社のスタッフが簡易窓口を出しています)のですが、事前にネットで購入しておいたほうが手間が省けるのでこちらがオススメ。
このサイトのトップページを下に繰っていくと、「Go Preikestolen (round trip)」というコースが販売されています。
これを選ぶと、指定した日で丸々有効のオープンチケットが購入でき、指定日の船、バスを限定せずに利用することが可能です。
料金は360クローネ(約4400円)で、これにスタヴァンゲル~タウの船(往復)、タウ~プレーケストルヒッタのバス(往復)の運賃が含まれています(※スタヴァンゲル市内から船着き場までの交通費などは含まれていません)。
スタヴァンゲル→プレーケストーレンの入り口の船・バスダイヤ
GOfjordの公式サイトでは、2019年の船とバスダイヤが公開されていました。2010年以降には変更する可能性もありますが、大幅な変更はないものとして、ここに2019年分のものを掲載しておきます。
平日、土曜、日曜でダイヤが違うので、以下順に載せておきます。基本的に、スタヴァンゲル~タウの船の所要時間が45分、タウ~プレーケストルヒッタのバスが30分、そこからプレーケストーレンまでの所要時間が1.5時間~2時間、と考えておきましょう。
平日
スタヴァンゲル~タウ(船) | タウ(バス・出発) | プレーケストルヒッタ(到着) |
7時30分 → 8時15分 | 8時15分 | 8時45分 |
8時15分 → 9時 | 9時 | 9時30分 |
9時 → 9時45分 | 9時45分 | 10時15分 |
9時45分 → 10時30分 | 10時30分 | 11時 |
10時30分 → 11時15分 | 11時15分 | 11時45分 |
11時15分 → 12時 | 12時 | 12時30分 |
12時45分 → 13時30分 | 13時30分 | 14時 |
13時30分 → 14時15分 | 14時15分 | 14時45分 |
14時15分 → 15時 | 15時 | 15時30分 |
15時45分 → 16時30分 | 16時30分 | 17時 |
17時15分 → 18時 | 18時 | 18時30分 |
※赤字は6月1日~8月31日の間だけ運行
土曜
スタヴァンゲル~タウ(船) | タウ(バス・出発) | プレーケストルヒッタ(到着) |
8時15分 → 9時 | 9時 | 9時30分 |
9時 → 9時45分 | 9時45分 | 10時15分 |
9時45分 → 10時30分 | 10時30分 | 11時 |
10時30分 → 11時15分 | 11時15分 | 11時45分 |
11時15分 → 12時 | 12時 | 12時30分 |
12時 → 12時45分 | 12時45分 | 13時15分 |
13時30分 → 14時15分 | 14時15分 | 14時45分 |
14時15分 → 15時 | 15時 | 15時30分 |
15時45分 → 16時30分 | 16時30分 | 17時 |
17時15分 → 17時55分 | 18時 | 18時30分 |
※赤字は6月1日~8月31日の間だけ運行
日曜
スタヴァンゲル~タウ(船) | タウ(バス・出発) | プレーケストルヒッタ(到着) |
7時30分 → 8時15分 | 8時15分 | 8時45分 |
9時 → 9時45分 | 9時45分 | 10時15分 |
9時45分 → 10時30分 | 10時30分 | 11時 |
10時30分 → 11時15分 | 11時15分 | 11時45分 |
11時15分 → 12時 | 12時 | 12時30分 |
12時 → 12時45分 | 12時45分 | 13時15分 |
13時30分 → 14時15分 | 14時15分 | 14時45分 |
14時15分 → 15時 | 15時 | 15時30分 |
15時 → 15時45分 | 15時45分 | 16時15分 |
※赤字は6月1日~8月31日の間だけ運行
午後にスタヴァンゲルを出発するもの、あるいは昼過ぎ以降にプレーケストーレンの入り口に到着するバスの接続便は、現地で宿泊をする方向けのものです。日帰りでプレーケストーレンに行く場合、朝9時までにスタヴァンゲルを出発する船に乗りたいものです。
※この時刻表では、船からバスへの乗り継ぎ時間がないような表記になっていますが、実際は全員乗り込むまで待ってくれるので、タウの出発時間などは少し後ろにずれ込みます。
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プレーケストーレンの入り口→スタヴァンゲルの船・バスダイヤ
さて、次はスタヴァンゲルに戻るバスと船の時刻表をまとめておきます。こちらも平日、土曜、日曜で時間や本数が違います。
平日
プレーケストルヒッタ→タウ | タウ→スタヴァンゲル |
9時05分 → 9時35分 | 9時45分 → 10時30分 |
9時50分 → 10時20分 | 10時30分 → 11時15分 |
10時35分 → 11時5分 | 11時15分 → 12時 |
11時20分 → 11時50分 | 12時 → 12時45分 |
12時5分 → 12時35分 | 12時45分 → 13時30分 |
12時50分 → 13時20分 | 13時30分 → 14時15分 |
14時20分 → 14時50分 | 15時 → 15時45分 |
15時5分 → 15時35分 | 15時45分 → 16時30分 |
15時50分 → 16時20分 | 16時30分 → 17時15分 |
17時20分 → 17時50分 | 18時 → 18時15分 |
18時40分 → 19時10分 | 19時30分 → 20時15分 |
※赤字は6月1日~8月31日の間だけ運行
土曜
プレーケストルヒッタ→タウ | タウ→スタヴァンゲル |
9時50分 → 10時20分 | 10時30分 → 11時15分 |
10時35分 → 11時5分 | 11時15分 → 12時 |
11時20分 → 11時50分 | 12時 → 12時45分 |
12時5分 → 12時35分 | 12時45分 → 13時30分 |
12時50分 → 13時20分 | 13時30分 → 14時15分 |
13時35分 → 14時05分 | 14時15分 → 15時 |
15時5分 → 15時35分 | 15時45分 → 16時30分 |
15時40分 → 16時10分 | 16時30分 → 17時15分 |
17時20分 → 17時50分 | 18時 → 18時15分 |
18時40分 → 19時10分 | 19時30分 → 20時15分 |
※赤字は6月1日~8月31日の間だけ運行
日曜
プレーケストルヒッタ→タウ | タウ→スタヴァンゲル |
9時05分 → 9時35分 | 9時45分 → 10時30分 |
10時35分 → 11時5分 | 11時15分 → 12時 |
11時20分 → 11時50分 | 12時 → 12時45分 |
12時5分 → 12時35分 | 12時45分 → 13時30分 |
12時50分 → 13時20分 | 13時30分 → 14時15分 |
14時20分 → 14時50分 | 15時 → 15時45分 |
15時5分 → 15時35分 | 15時45分 → 16時30分 |
15時40分 → 16時10分 | 16時30分 → 17時15分 |
16時35分 → 17時05分 | 17時15分 → 18時 |
17時55分 → 18時25分 | 18時45分 → 19時30分 |
※赤字は6月1日~8月31日の間だけ運行
こちらも、日帰りの場合は15時以降にプレーケストルヒッタを出発するバスに乗るのが現実的なスケジュールかと思います。
準備②:プレーケストーレントレッキングに必要な装備
プレーケストーレンに行くときに必要な装備は、「動きやすい服装と最低限の食料・飲料」と考えて問題ありません。季節によって気温が変わるので一概に言えませんが、伸縮性の高いボトムスとシャツに、パーカーやウィンドブレーカーなど、羽織って体温調節ができる衣類があるとなおよしです。靴はスニーカーがベター。6~8月は太陽の日差しも強いので、日焼け止めと帽子、サングラスもあればなお良しです。
他には、プレーケストーレンの入り口でも借りられたと思いますが、トレッキングステッキがあると更に便利。これはプレーケストーレンの入り口でも案内板に書かれていましたし、実際に歩いてみると岩肌を上ったり降りたりすることが多いので、両手だけでは場所がない、というスポットが道中にいくつかあるためです。
お水は、スタヴァンゲルのコンビニやスーパーで前日などに買っておきましょう。他にスナックやプロテインバーなどもあると、片道2時間のトレッキングでは重宝すると思います。
実際に歩いてみた
さて、ここからは実際にスタヴァンゲルからプレーケストーレンへのトレッキングの様子を時系列で、簡単にまとめておきたいと思います。
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朝9時の船に乗るためにスタヴァンゲルの船着き場へ
僕がプレーケストーレンに行ったのは、8月後半の日曜日。バスの本数は1週間で一番少ないですが、まだハイシーズンなので比較的チョイスが多かったのは救いでした。
ホテルがスタヴァンゲルの中心から少し離れた場所にあり、7時半にはホテルを出て、まずは街の中心を目指しました。
スタヴァンゲルバスターミナルに併設するセブンイレブンで、チョコパン3個入りを購入。これで350円とかだったと思います。
船着き場までバスが走っていない時間帯だったので、歩いて移動。とは言っても10分ほどあれば到着します。
タウに行く船は、ここから出発します。
9時に出発する船に乗りたかったので、8時半には船着き場に着くようにしました。出発時間が近づいてくると、プレーケストーレンに行く他の旅行者も増えてきて…
乗船時にはこの混みよう。
こちらは、まだギャラリーが多くなる前に撮影した、船着き場の写真。市民の足として使われている航路で、一般利用の方も普段は多いようです。
これが、印刷したチケットと当日渡された船のスケジュール。チケットは上でも書いたとおり、船着き場でも購入できます。また、チケットは印刷せずにスマホから見せても大丈夫でした。
海の向こう側・タウを目指す
船に揺られて45分ほどかけて、タウを目指します。
乗船時にはすごい数の人にびっくりしていましたが、船もキャパに余裕があるようで、座席が多く空いていたのは幸運でした。平日はもっと空いていると思います。
座席によっては窓側にコンセントもあるので、充電をしておきたい方はここに座りましょう。
船内には簡易売店があって食料も買えるのですが、値段を見たところパニーニ1切れで72クローネ(約870円)と恐ろしく高いので、おとなしくスタヴァンゲルのスーパーなどで食料は調達しておきましょう。
タウに着いてからバスで移動
タウに着くと、目の前のバス乗り場にプレーケストーレンの入り口に行くバスが泊まっています。
ここからは別の街に行くバス(路線バス)も発着しているしているようなのですが、プレーケストーレンに行くバスは観光バス仕様で、横に「GOfjord」のロゴとプレーケストーレンの写真が印刷されていて、他の乗客も列を作って並ぶので、間違えることはないと思います。
こんな感じで、長蛇の列が。結局出発したものの、座席が足りないらしく僕は行きは立っての移動でした(笑)。ノルウェーはこのあたり、もっときちんとしていると思っていましたが、立ち席での乗車もOKなんでしょうか(笑)
30分ほどでトレッキングの入り口の地点に到着。ここにはレストランや宿泊施設、お土産物屋さんなどが入っている施設もいくつかあるので、お手洗いを出発前に済ませておきましょう。
この写真は屋外のトイレなのですが、女性用がものすごく混んでいるので、1分ほど歩いたところにあるレストラン兼ロッジの中にあるお手洗いを使うのがいいでしょう。
場所はこちら。
いよいよトレッキングの開始
トレッキングの入り口の地点には、プレーケストーレンまでの高低差の変化が解説されています。
少しずつ高度を稼いで行くのかと思えば、アップダウンを繰り返して最終的に高台まで上っていくようです。
入り口からも見える湖を見下ろしながら………
途中は尾瀬みたいな場所を通り、
自然が作り出した湖?沼?も横目にしながら、
ゴツゴツした岩肌の上を歩いて行くと………
遠目にリーセフィヨルドの姿が!!
なんかすごい端折っていますが、出発地点からここまで2時間以上かかります。途中では岩肌を上ることも多く、足場の悪い場所も多くありました。
基本的に勾配が続いていて、休憩ができるスペースのある平地が限られています。30分に1回くらい、コースの脇にそれて水分補給と、必要であれば少しずつ食事を取ってエネルギーを補給するのがいいでしょう。
遠目に見たフィヨルドが一旦視界から離れますが、岩肌に沿って歩いて行くと………
そこにはこの世のものとは思えない美しい光景が。
………とは言うものの、高所恐怖症の僕にとっては、正直感動よりも恐怖心のほうが多かったですが(笑)
プレーケストーレンでできること
プレーケストーレンは、自然の岩肌の上で観光客が思い思いの時間を過ごしています。お店とかはないので、持参した食べ物を口にしながら、写真を撮るとかあたりを散策するのがベタな楽しみ方なんですが、実は人気があるのが、「肝試し」です。
これは、フィヨルドに突き出た断崖絶壁の端に行って、思い思いのポーズを取って写真に収める、というもの。人気がすごくて長蛇の列ができているのですが、
とてもじゃないですが、自分からすると正気の沙汰とは思えないようなことをしているんですよね。
しかも、これに挑戦しようとしている人がこんなに(笑)
この人は、この位置から体を反らしてイナバウアーみたいなこともしていました。断崖絶壁に腰掛ける人が一番多くて、他にはこの人のように体操みたいなことをしたり、飛び跳ねたりする人がちらほら。
見ているこっちのほうが先に心臓が止まってしまいそうでした(笑)
ちなみに、この断崖絶壁の部分が一番人が集まるのですが、岩肌を上って少し迂回しながら高度を稼いで行くと、このエリアを上から見下ろせる場所にたどり着けます。
このあたりから高度を稼いで行って、
ここまでくるとなかなかの見物。
ここでキャンプをしている人もいました(笑)
プレーケストーレンは、断崖からフィヨルドを見るのもきれいなのですが、ここまで高く上ってから、絶壁とフィヨルドを一緒にフレームに納めるほうが絵になるのではないかと思います。
帰りはバスの時間を気にしながら歩く
プレーケストーレンでの滞在は1時間強で、ここから2時間を見込んで、入り口まで戻ることにしました。
帰りは上りがほとんどないのでペースが上がり、1時間40分ほどで降りられたのですが、実はトレッキングで難しいのは上りより下りなので、あまり慣れていない方は調子に乗らず、下りのときにより注意深く歩みを進めるようにしましょう(下りは、次の足場までの距離が遠くなってバランスが取りづらいので、特に今回のようなプレーケストーレンの一部の場所では、進みづらいのです)。
戻ってきたら麓のレストランで軽食を取るもよし
入り口まで戻ってきたら、そのままバスに乗ってスタヴァンゲルまで戻るのもいいですが、ここから更に1時間30分ほど移動する必要があるので、ご褒美にビールを飲んでみるのはいかがでしょう。
上で地図を載せた施設の中にあるレストランでは、ビールやソフトドリンクの他に料理も頼むことができます。トレッキングでお水を飲み干してしまったら、このレストランを利用したらお水は無料で頂けるので、水分補給に使うのもよし。
僕はビール(0.4L)とミネラルウォーターを買いましたが、お水は必要なかったです。これら合わせて120クローネ(1450円)で、ビールだけでも1000円近くしたはずなので、もう金銭感覚がおかしくなりますが…。
あとは、ここでバスに乗るまでの時間調節をして、スタヴァンゲルまで戻りましょう。
まとめ
今回は、スタヴァンゲルからプレーケストーレンに行く方法を、移動方法、チケットの取り方、必要な装備などに分けて詳しく解説しました。プレーケストーレンは、夏のノルウェーに行くなら絶対に訪れたいスポットの1つ。拠点となるスタヴァンゲルまで行けば日帰りで訪れられるため、是非ここでまとめている情報を参考にして足を運んでみて下さい。
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