ここ数年で日本での知名度も上がりつつあるポーランドですが、まだまだ西ヨーロッパのメジャーな国々と比べて、この国について知る、学ぶ本は少ないように思います。
そこで今回は、僕がこれまで読んできた本のなかから、ポーランドについてより詳しく知ることができる本を5冊紹介します。
旅行系、歴史系など、ジャンルは複数にまたがりますので、旅行や留学の情報収集や、より教養を深めるといった目的に合わせて、読んで頂ければと思います。
目次
①とっておきのポーランド(旅行系)
とっておきのポーランド 増補改訂版 (地球の歩き方GEM STONE) 新品価格 |
ポーランドの旅行情報について詳しく知るなら、「地球の歩き方」よりもこの本のほうが、情報がギュッと詰まっていてお得です(「歩き方」は、東欧10カ国やポーランド・チェコ・スロバキアの3カ国で1冊になっているので、どうしても情報が薄くなってしまいます)。
この「とっておきの~」には、ワルシャワ、クラクフ、グダンスク(グダニスク)といった主要都市だけではなく、世界遺産のザモシチや、「ポーランド一美しい村」と呼ばれるカジミエシュ・ドルニィ、更には花の模様で有名なザリピエなど、ポーランド「マニア」向けの街情報、観光情報が目白押し。
既にポーランドに何度か訪れていて、よりディープなスポットを訪れたい!という方向けの一冊です。
(ポーランド旅行初心者の方は、まず「地球の歩き方」から入るのがオススメです)
②ポーランドを知るための60章(歴史、経済全般)
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こちらは、明石書店が出しているシリーズもののポーランド編。2001年出版なので、最新情報は拾うことができないのですが、中世から近世にかけてのポーランドの歴史動向や経済の動き、社会体制の変換など、旅行以外のポーランド情報についてオールインワンで学ぶことができる一冊です。
登場するポーランドの偉人がマニアックすぎて分からないことが多かったり、重箱の隅をつつくようなテーマが多いので、全章を読み通すのは大変かも知れませんが、ポーランドに旅行やワーホリ、留学に行く前、あるいは滞在中に興味のあるチャプターを読むだけでも、ポーランドについての理解度が格段に上がります。
とりあえずこの一冊を読んでおけば大丈夫。そんな頼もしい一冊です。
③物語ポーランドの歴史(歴史系)
物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書) 新品価格 |
②と同じ著者が書いている、2017年出版の最新刊。
歴史のストーリーに重点が置かれているので、歴史好きのあなたにはぜひ手に取って頂きたい一冊です。
ただ、著者の専門分野が関係しているのか、歴史と一口に言っても、殆どが第二次世界大戦~社会主義体制の時代の話で一色になっています。僕個人は、より中世の歴史について興味があったので、「世界大戦時代の細かい話にこんなにページを割かなくても…」と正直思いました。
④十五の夏(上)
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僕が敬愛してやまない佐藤優が2018年3月末に出した、「東欧版深夜特急」と言っても過言でない大叙事旅行記が「十五の夏」です。
この本の舞台は1975年、まだチェコスロバキア共和国やソビエト連邦ウクライナが存在していた時の「古き良き時代」の東ヨーロッパの姿を、15歳の著者が等身大の目線で書いている、貴重な資料です。
上巻ではポーランド、チェコスロバキア、ハンガリーの国々が出てきて、本という媒体では珍しく、当時のポーランドの市民の生活の詳しい描写が至る所に出てきます。
「社会主義体制」という言葉から僕たちが連想するイメージとは、大きく異なった実際の姿を、この本を通してうかがい知ることができるのではないかと思います。
なお、下巻ではルーマニア、ソビエト連邦ウクライナ~ロシア~カザフスタン~ウズベキスタン(全て「国内」)の旅行記が書かれています。東欧ロシアに興味がある方は、これら2巻セットを読破されることをオススメします。
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⑤オリガ・モリゾブナの反語法
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こちらは、生前ロシア語通訳者兼作家として活躍した米原万里のフィクション作品です。
この本は、世界大戦時代のホロコースト(絶滅収容所)にまつわる話を、フィクションながらノンフィクションのようなリアルさを伴って描いている作品で、アウシュビッツに足を運ぶ前の予習に、あるいは旅行後の復習に多いに役立つ一冊です。
ホロコーストにまつわる話としては、ビクトール・フランクルの「夜と霧」が有名ですが、この本を読んだ印象は「壮絶な世界をあまりに客観的に捉えすぎていて、逆にリアルさがない」というものでした。
戦時中の生活の様子なども含めてうかがい知るには、この「反語法」がうってつけの一冊です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はポーランドについての理解を一層深めるための書籍5冊を紹介しました。まずは1冊、興味のあるものを手に取って勉強してみて下さい。
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