ポーランドにやってきて1年2ヶ月くらいになるのですが、
僕がこの1年間、ブログやメルマガを書くときに
できるだけ「公にしない」ように努めてきたことがありました。
それは、
ポーランドの物価が(他のヨーロッパ諸国と比べて)安い、ということです。
このメルマガ読者の方で、既に今
ポーランドにお住まいの方、あるいは
これまでに旅行や長期滞在をされた方は
お気づきかと思いますが、
ポーランドの物価は、日本のそれよりおしなべて低めです。
ものによっては割高だったり、驚くくらい安いものがあるので
一概にどう、とは言えませんが、
日本の大都市で生活するより、
生活コストは確実に低いです。
まあ、僕はAmazonでKindleを買ったり
勉強用の教材やらなんやらを買ったり
日本食材を買ったり日本食レストランに行ったり
旅行をしたりしているので、
「最低生活費」以上の支出はありますが、
普通の暮らしをしている限りは、
日本にいるより財布へのダメージは絶対に少ないです。
実際、西ヨーロッパから旅行でやってきた
友人や知人の話を聞いていると、
ポーランドの物価はべらぼうに安いので
過ごしやすい、精神的ダメージも少ない
という話を必ず聞きます。
恐らく、ネットで調べても
「ポーランドの物価は安い」ということは
簡単にヒットするでしょう。
(他の東ヨーロッパ諸国も似たような感じだと思います)
ただ、このことは僕も知っておきながら、
これまでブログやメルマガで
「ポーランドの物価は安くて過ごしやすいですよ~」
みたいなことは、一切書いてきませんでした。
まあ、ブログには一時期(去年の10月)
毎日どんなことにどれだけお金を使ったのか、
ということを必死にまとめていた時期があったのと、
「ワルシャワでの生活費はこれくらいです」
という、あくまで僕がどれくらい使っているのかを
まとめた記事は1つ作っているのですが、
これらはできるだけ、客観的に情報をまとめるようにしていました。
「ワルシャワの物価/生活費はこれくらいです」
という風には書くけれど、
「ワルシャワの物価はこんなにも安い!過ごしやすいからみんなおいでよ!」
みたいな風には絶対に発信してこなかった、
ということですね。
これ、なぜだか分かりますか?
実は、いくつか理由はあるんですが、
一番の理由は
「物価が安いから」という金銭的な魅力だけで
ポーランドにやってくる人を
できるだけ排除したかったから、
というのが率直なところです。
「排除」なんて言葉を使うとやや語弊があるかもしれませんが、
本当なのでこの言葉をここではあえて使いますね。
どういうことかというと、
ネットを見ていると、
「●●(国や都市)の物価は安いから快適!」
みたいな情報発信をしている人って多いですし、
そういうことがかかれているブログって
本当に多く見られます。
分かりやすいのは、東南アジアとかですよね。
僕はこれまで、ベトナムしか行ったことがないんで
他の国のことは分からないんですが
タイとかマレーシアとかは
日本よりも物価が安くてそこそこ快適に過ごせるようなので
若い人でノマド的に生活したい人は
そういうところに移り住むことも多いようです。
あるいは、ヨーロッパのユーロ圏の中でも
物価がそこそこ安くて、
しかもある種のビザが取りやすいから
「皆さん、ここにやってきましょー!」
みたいな見せ方、伝え方をしている人やブログも結構あるようです。
(僕も全部調べているわけではないので、
あくまで個人的感覚ですが)
で、正直言ってポーランドの物価も
相当低いので(さすがにウクライナとかには負けますけど)、
そういう風に情報発信するっていうのもありだったと思います。
例えば
「物価の安いポーランドで日本以上に快適な生活を送る方法」
とか
「日本人の若者こそ、物価の安いポーランドで過ごすべき」
とか、
そういうタイトルでブログを書くことも
できたと言えばできた、とは思っています。
ただ、僕のスタンス的に
こんな方法は絶対に取りたくなかったので、
これまで一切こういう情報発信はしてきませんでした。
そして、これからもこういう内容を
こういう立ち位置から発信していくことは絶対にないですね。
(あくまで、客観的に指し示す、ということはあるかもしれませんが)
で、これは先にも書いたように
「お金を理由にポーランドにやって来る」
人を排除したい、
少なくとも、僕のブログの読者やメルマガ読者には入れたくない
という理由があったからです。
正直言って、別に人の数だけ人生がありますし
その全ての人と関わって生きてくわけではないので、
ポーランドの物価の安さが魅力でやってきた
という人がいても、全然気にはなりません。
ただ、そういう人が(あるいは、そういうスタンスで)
情報発信をしてしまうと、
結局は似たように
「ポーランドは物価が安い!ヒャッホー!!」
みたいな軽いノリで(笑)
こっちにやってくる人が増えてしまうのが
個人的には懸念材料だったんですよね。
ポーランドって、まだまだ日本にとっては
遠い国というか、積極的に「行きたい!」って
人は少ないのが事実です。
最近ようやく、直行便が就航したり
ワーキングホリデーが始まったりと
少しずつ距離が縮まっていて、
日本からやってくる人も多くなっては来ていますが
それでも、イギリスやフランス、スペイン、イタリアなど
西ヨーロッパの有名諸国に比べると
その差は圧倒的です。
そして、ポーランドはワーホリが始まって
まだ2年弱くらいなので
僕が渡航した当時、ワーホリでやってきている
日本人は、本当に数えるくらいの人数しかいませんでした。
(この1年で、だいぶ増えてきたとは思います)
で、これから日本人が一層増えてくる、という時期に
「ポーランドの物価は安い!」なんて風に情報発信してしまうと
別にポーランドじゃなくてもいいのに
物価が理由でポーランドにやって来るとか、
そういう、変な人が増えてしまうのは避けたいと。
まあ、別にそういう人が来るのはいいけれど
そういうスタンスで情報発信してしまうと
情報が歪められて色んな人を引き寄せてしまうので
多くの人に読まれるブログを書く自分としては
そのスタンスだけは絶対に取りたくない、と決めていたんですね。
実際の話、これはポーランドではなくて
ヨーロッパ某国の某都市では、
日本より物価もやすくて、特定のビザが日本人でも取りやすいので
「日本人はこの街に来るべき」みたいな情報発信を
最初にやってきた日本人がやってしまって、
今悲惨な状況になってしまっています。
(僕も去年、その街は視察に行ったんですが
ネットで騒がれている程の魅力は感じなかったので
その時点で、今後の滞在先からの選択としてはなくなりました)
その街へは、今でも
「物価が安い」とか「ビザが取りやすい」とか「生活が快適」とか
そういう理由で移住を目指している日本人が多いようですが、
僕としては、ポーランド(ワルシャワ)を
そういう二の舞にはしたくない、という思いもあって
物価の安さのような要因で
ブログ読者やメルマガ読者をつり上げたくはない、という思いで
もっと有益な情報、自分が体験した情報を
積極的にまとめるようにしてきました。
そう言う意味では、実際に僕のブログやメルマガを読んで
ワーホリや他の方法でやって来て頂いた方も何人もおられるのは
非常に嬉しいことですね。
もちろん、こっちにやってきてから
物価の安さの恩恵にあずかるとか、
快適な暮らしをする、とかは目一杯享受してもらっていいんですけれど、
別にそれって、「物価の安さ」が移住や旅行の決め手になっている、
ということではないですからね。
こっちの歴史に興味があるとか
言葉に興味があるとか、
音楽に興味があるとか、
そういう人たちに、
これからもポーランドにやって来て欲しいと本気で思っているので
僕は今まで、物価の安さを前面に押し出した
情報発信はしてこなかった、ということです。
これは何も、物価だけじゃなくて
美女とか、そういう話でも同じなんですけどね。
※この記事の事実上後編に当たる記事を新しく執筆しました。僕が普段何を考えて生きているかを、こちらの記事からも合わせて学んで下さい。
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