ノルウェーを旅行するときに、首都のオスロとプレーケストーレンの入り口となるスタヴァンゲルを合わせて訪れる方も多いと思います。
僕は2019年8月にノルウェーを旅行した際に、スタヴァンゲルに空路で入りプレーケストーレンを訪れ、その日の夜に夜行列車を使ってオスロまで行きました。今回は、その際に利用した列車の予約や運賃、サービスなどについてまとめておきたいと思います。
目次
オスロ~スタヴァンゲルの移動は何が一番いいのか
オスロとスタヴァンゲルは、直線距離では400kmほどの距離なのですが、交通網の関係で鉄道やバスを利用する場合は片道8時間ほどの移動時間がかかってしまいます。
鉄道は、昼行と夜行合わせて2~3本ほど毎日運行していますが、昼行列車を利用するとそれだけで1日が潰れてしまいます。また、飛行機はフラッグキャリアのスカンジナビア航空やLCCのノルウェーエアシャトルが1日にそれぞれ5本ほど運行していて、フライト時間も1時間を切るほどの近さなのですが、いかんせん直前になると運賃が跳ね上がること、また、両都市で空港と街の移動に余計にお金がかかる(合わせて2000~3000円程度)ことから、事前にしっかりとスケジューリングをして、安い飛行機のチケットが買えるときだけ利用するのが賢いと言えます。
昼行列車の利用でも飛行機の利用でも、両都市での宿泊予約もしないといけず、ノルウェーはホテル代もバカにならないので、もし体力があるなら、夜行列車を使ってみるのもありかもしれません。
また、バスも走ってはいるのですが、昼行・夜行共に途中で乗り換えが必要なものが多く、移動時間も10時間ほどかかるため、所要時間が長くなってしまうのがネック。こちらも、予約が早ければ早いほど安いチケットを買える可能性は高くなりますが、直前だと直通の最安チケットで6000円ほどかかるようです。
バスの予約サイトはいくつかあるようですが、情報を調べるために試しに使ってみたのはこちらのサイトでした。
僕は、安さだけを理由に夜行列車を予約して、実際に移動してみました。ここからは、夜行列車の予約・乗車などの情報についてまとめたいと思います。
ノルウェー国鉄の公式サイトでチケットを予約する
ノルウェーの鉄道は、ノルウェー国鉄の公式サイトから検索して予約するのが一番確実です。サイトはこちら。
ちなみに、「ノルウェー国鉄」と言っていますが、最近民間のバス会社と合併して、実際には民営化されたようです。もともと「ノルウェー国鉄」(NSB)だったのが「VY」という会社になったようなのですが、新しい社名が言いづらいので、この記事では「ノルウェー国鉄」といった表現を使いたいと思います。
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座席の種類は3種類。安さだけで選ぶなら最安の座席車
ノルウェー国鉄の夜行列車には、3種類の座席が設定されています。
最安なのは、普通の座席車の「エコノミー」。座席指定のみが行われる、日本で言う「ムーンライトながら」のようなクラスです。
次に安いのが、座席車にいくつかのサービスが加わった「エコノミーコンフォート」。普通座席車ですが、隣の座席に人がこない、ブランケットが用意される、車内に設置されたコーヒーメーカーからコーヒーを飲める、といった、飛行機で言う「プレミアムエコノミー」に分類されるようなクラスでしょうか。
最後が個室寝台車。こちらはセキュリティも安心で横になれます。
運賃の違いですが、公式サイトから予約する場合は、日付と出発駅・到着駅を入力した後に表示される「最安料金」に、クラス毎に異なる料金を加算する必要があります。
僕が利用したのは2019年8月の下旬、日曜日の夜にスタヴァンゲルを出発して翌朝にオスロに到着するもの。約2ヶ月前に購入して、「エコノミー」の座席で529クローネ(約6400円)でした。
運賃はシーズンやどれくらい前に予約するかで変わるのですが、参考までに載せておくと、エコノミーコンフォートを利用する場合は、検索結果の運賃に230クローネ(約2800円)、寝台車の場合は検索結果の運賃に950クローネ(約11500円)を加算する必要があります。
正直な話をすると、個室寝台車を利用するのであれば、昼間に飛行機やバス、列車で移動してホテルを取ったほうが安上がりになる(寝台の加算料金より宿泊費のほうが安い)ので、選択としては悩ましいところですね。鉄道好きの方にとっては嬉しいかもしれませんが、夜に横になって移動するだけなので、あまりお金を払う意味がないとも言えますし。
僕は、一番安いエコノミーの座席を利用して、スタヴァンゲルからオスロまで移動することにしました。
なお、オスロからスタヴァンゲルに行く夜行列車は、オスロ中央駅を22時25分に出発し、スタヴァンゲルに翌朝7時20分に到着。逆はスタヴァンゲルを22時17分に出発し、オスロ中央駅に翌朝7時25分に到着するダイヤになっているようです。
チケットを買うと、メールにPDF形式のチケットが送られてきます。それを印刷するか、スマホから見せるようにすれば問題なく検札を受けられます。
実際に乗車してみた
スタヴァンゲルにて列車を待つ
スタヴァンゲルを22時17分に出発する列車の改札(乗車受付)が始まるのは、22時ちょうどから。駅に改札機はなく、列車の扉が開いたら乗車可能で、出発してから検札があります。
車内に荷物を置いてから買い物をすると時間がないと思うので、最低限の軽食や飲み物は22時までに駅前のコンビニなどで買っておきましょう。駅構内に1軒コンビニがあり、隣のバスターミナルの一角にもセブンイレブンが1軒あります。
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車内の様子はどんな感じ?
エコノミー座席はこんな感じ。
ノルウェーの鉄道は線路幅が広いので車両の横幅も広く、その点は快適です。
座席はまあ普通のもの。リクライニングは少し利いて、背もたれが傾くと同時に座席部分が前に出てくるものです。
コンセントも座席の下に、1人1つあてがわれています。
テーブルは収納式ですが、テーブル自体が大きいので食事をするには困らなそう。
荷物室もありました。荷物を固定できるひももあるようです。
座席上部の網棚は、キャリーケースは置ける大きさでした。
エコノミーコンフォートの座席も少し視察
コンフォートの車両はエコノミーの車両とは違っていて、車両毎に割り当てられるクラスが分かれるようです。
コンフォートでは、テーブルは収納式ではなくそれ自体が取り付けられていて、前の座席とのシートピッチが広くなっています。
座席カバーも違いました。
ブランケットも座席に用意されています。なお、エコノミーでもブランケットは利用できるみたいなんですが、スタッフに伝えないと用意してくれないそうです。それを知らずに、何も掛けずにオスロまで移動しました。
エコノミーコンフォートの乗客専用のコーヒーメーカーもありました。でも、元を取るには3杯くらい飲まないといけないそうで、夜行での移動ならそこまで飲めませんね。
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食堂車も連結されている
写真は撮っていませんが、食堂車も連結されていました。こちらも夜行なら利用する機会はほぼないでしょうが、朝駅に着く前に朝食を済ませたいのであれば使ってみるのもいいかもしれません。
定刻通りにオスロ中央駅に到着。エコノミーは快適ではなかった…
エコノミーの車両は、夜間は減光されるのですが、完全消灯とはいかないのであまり室内が暗くなったという感じはしませんでした。僕はアイマスクを持参していたのであまり問題ありませんでしたが、こちらのアイテムは必需品と言えるでしょう。
列車は深夜帯も主要駅で停車を繰り返し、乗客の乗り降りがありました。8月最終週の日曜から月曜にかけての移動だったのでそれほど乗客はいませんでしたが、セキュリティや睡眠が気になるのであれば、寝台車を利用するのもありなのかなと思います。
オスロ中央駅には定刻どおりに到着しました。朝7時台の到着なのでホテルにチェックインすることもすぐにはできませんし、体力に自身がある場合にエコノミー席を利用して移動してみるのはいいのでないか、と思います。
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