ハンガリーのブダペストと、クロアチアのザグレブは距離が近く、5時間ほどで陸路で移動できてしまいます。
その距離の近さ故飛行機は飛んでおらず、公共交通機関を使うならバス(FlixBus)か鉄道(国際列車)の二択。
僕はこれまでに、バスと鉄道の両方を使って旅をしましたが、鉄道もなかなか便利だったので、今回はブダペスト→ザグレブの鉄道旅行記をまとめることにしました。
目次
オンシーズンは複数本、オフシーズンは1本運転の国際列車
ブダペスト~ザグレブの国際列車は、夏期を中心とするオンシーズンには、昼行列車と夜行列車が最大3本動くほど、需要の高い路線です。そのうち1本は、ブダペストを19時頃に出発、ザグレブには日付が変わってから到着して、そのままアドリア海岸を目指すバケーション用の長距離国際列車です(2018年の場合)。
オフシーズンも含めて通年運行されているのは、ブダペスト南(Deli)駅を15時35分に出発し、国境審査を経て21時過ぎにザグレブに到着する列車。昼行列車と言えど、夕方に出発して夜に到着するので、日中の時間を有効活用できるのが良い点です。
なお、バスは1日4本運行しており、こちらも国境審査が途中でありますが、所要時間は鉄道より最大1時間ほど短くなっているため、よほどのこだわりがなければ多くの旅人はバスを使うと思います(運賃も、バスのほうが安いときが多いです)。
ブダペストKelenfold駅から乗り込み、ザグレブへ
僕が利用したのはオフシーズン、12月の末でした。ブダペストの南駅ではなく、その次の停車駅であるKelenfold(ケレンフェルド)駅からの乗車。ここからは地下鉄4号線が出ていて、ブダペスト東駅まで直通しているのと、ペスト側の中心部に行くための拠点となる駅です。
kelenfold駅の出発は15時42分。12月末、冬至からほど近い時期だと16時手前には日没なので、昼行列車と言えどなんだか不思議な感覚です。
このときは3番線からの出発。車内販売はないので、お水や軽食は出発前に駅やキオスクで買っておきましょう。
めちゃくちゃ車内の窓ガラスが反射していますが、乗車したときのマジックアワーがとてもきれいでした。
車両は確か5両ほどの編成で、ザグレブまで直通する車両と、ハンガリー国内で切り離す車両があります。ザグレブに行く人は当然ながら直通の車両の座席があてがわれますが、実際に乗っていると、ザグレブまで行く車両にも、ハンガリー国内で下車する乗客がいました。
バラトン湖岸を進み、国境を通過
この列車の停車駅は少なく、ハンガリーの古都・セーケシュフェヘールバールに停まった後は、いくつかバラトン湖岸の街(シオーフォクなど)に停まってこまめにお客さんを降ろしながら、クロアチアとの国境に進んで行きます。
ブダペスト以外の街からこの列車に乗ってザグレブ(というかクロアチア国内)まで移動する人がどれくらいいるのか分かりませんが、僕が乗った車両のコンパートメントでは乗客は増えず、ハンガリーを出国する時点で僕の貸し切り。
パスポートコントロールは、Google mapを見るとハンガリー側の国境の町で両国とも行い(ハンガリーの出国審査とクロアチアの入国審査)、30分ほどで完了しました。
EU圏内なので税関検査もなく、係員が車内に入ってきて、順に出国スタンプと入国スタンプを押してくれる、という、極めて簡単な手続きでした。
このGPSの位置が、国境審査をした場所。下にある太線が、ハンガリーとクロアチアとの国境です。
列車の運行経路はよく分かっていませんでしたが、この国境審査の駅で進行方向を変更して(スイッチバックをして)、クロアチアに入国。
途中の駅で、クロアチア国内の運用の列車を連結して、そのままザグレブを目指しました。
クロアチアに入国してから驚いたのは、路線規格の高さです。ハンガリー国内では、そこそこ列車は揺れて、しかも単線だからかスピードも出ていなかったのですが、クロアチアに入ってから見違えるほど高速で移動し、ロングレールが使われていて全く揺れも気になりませんでした。分かる人がどれくらいいるか分かりませんが、ポーランド国内のワルシャワ~クラクフの高速規格路線(新幹線が走っている専用の路線)なみの騒音の少なさと快適性でした。
クロアチアは旧ユーゴ圏なのでインフラの整備も遅れているだろう、と勝手に思っていたのですが、そんなこと全然なかったです。さすが、EUに加盟するだけありますね。失礼しました。
ザグレブにはほぼ定刻到着。ここから近くの宿に投宿
ザグレブ中央駅に到着したのは21時07分頃。まさかここまで時間きっちりに到着するとは思っていなかったのでびっくりしました。
これが、ザグレブに到着したときのクロアチアの電気機関車。思っていたよりも強力そうな機関車で、これまたびっくり。ハンガリー国鉄の機関車のほうがみすぼらしいですね(笑)
こちらが、ハンガリーからの編成に組み込まれているクロアチア国鉄車両。
こちらが、同じくハンガリーからやってきたハンガリー国鉄車両。
列車は1番線、一番コンコースに近いホームに到着しました。そのまま地上を歩いたら駅前広場に出ます。
これが、駅前広場の反対側にあるアートパビリオン。絶賛スケート会場が併設されていました。
この時期は、ヨーロッパはまだクリスマスマーケットが残っているので、電飾もクリスマスしようになっています。
これがザグレブ中央駅の真正面の姿。
ここから旧市街までは徒歩圏内。もちろん、トラムを使っても移動できます。
バスもいいけど、やっぱり鉄道がいい
ヨーロッパの国同士の移動は、いまやバスかLCCが主流になりつつあり、鉄道を使うのは、よほどのこだわりがある人だけではないでしょうか。
しかし、列車に揺られながら車窓に目をやり、物思いにふけながら移動をする、というのは鉄道旅ならではの特権。バスより時間はかかりますが、本を読んだり音楽を聴きながら、ゆっくりと流れゆく景色を見て旅をするのも一度はしてみたいものです。
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