東ヨーロッパの小国・スロバキアで旅人にもっとも人気のある場所は「スピシュ城」ですが、そこより更に東、シェンゲン圏の東の端のほうにあるのが、これまた世界遺産の「バルデヨフ」という街です。
この街の存在は、僕がワルシャワに住んでいるときに何かの拍子で知って、ずっと行きたいと思っていたのですが、ポーランドからの足が悪く、今回アクセスの良いブダペストから訪れることにしました。
今回は、そんなバルデヨフの街の紹介とアクセス方法についてまとめました。
目次
存在感は薄いけれど、バルデヨフはれっきとした世界遺産の街
バルデヨフは、以下の条件を満たすために2000年に世界文化遺産に登録されています。
・現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
・人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
スロバキアの世界遺産では、スピシュ城とその近くの街(レボチャ)が有名で、僕も「スロバキアに行くならとりあえずスピシュ城と、首都のブラチスラバに行けばいい」とは正直思いますが、スピシュ城とバルデヨフは同じ街を拠点にして、それぞれ日帰りで訪れられるので、スケジュールに余裕があれば合わせて行ってみて欲しいとも思います。
バルデヨフ行きの拠点となる街はコシツェかプレショフ
バルデヨフは、スロバキア東部のなんとも辺鄙な場所にあって、近隣の大きな街でワンクッション置いて、丸一日をバルデヨフ旅行に当てるのが賢いスケジュールの立て方。
バルデヨフの地図上の位置はここ。
距離的には、近くのスロバキア主要都市よりもポーランド国境のほうが近いのですが、場所が場所だけに、アクセスが不便になっています。そこで、近くの街に滞在するのですが、候補は二つ、スロバキア第3の都市・プレショフか、第2の都市・コシツェです。
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プレショフを拠点にするなら
プレショフは、文字通りバルデヨフに行く拠点となる街で、鉄道は日中、2時間に1本(バルデヨフまで約1時間)、バスも約1時間に1本ペースで、バルデヨフまで運行しています。街自体もとても小さく、スピシュ城方面(ポプラト、レボチャ)へのバスも頻繁に動いていて、ここを拠点にバルデヨフとスピシュ城に日帰り旅行をするのは十分可能です。
なお、プレショフにはポーランドのジェシュフから、朝晩2本バスが運行されています。ポーランド南東部の旅行も合わせてする場合、このバスを利用すると便利ですね。
コシツェを拠点にする場合
コシツェは、スロバキア東部では最大規模の街で、ブダペストやウジホロド(ウクライナ)へのアクセスも良好な街。スロバキア第2の都市ということもあって、LCCがイギリスなどから、あるいはフラッグキャリアがウィーンやワルシャワからコシツェ空港まで飛んでおり、ヨーロッパを動き回る際にスロバキア東部に立ち寄るときの、事実上入口となる街です。
コシツェはプレショフの南にあるので、バルデヨフまで鉄道で行く場合はプレショフ乗り換え、バスはプレショフ経由の直通便か、プレショフで乗り換えて移動する必要があります。
コシツェ~プレショフの移動時間は約30分ですので、コシツェを拠点にしたほうが周辺国との移動はより便利になりますが、スピシュ城にも行く場合、プレショフ拠点のほうが利便性は高まります。このあたりは、前後のスケジュールとの兼ね合いで拠点にする街を選ぶのがいいでしょう。
僕は、ブダペストからコシツェ経由のプレショフ行きFlixBusを利用して、プレショフまで行くことにしました。この他、プレショフにはブラチスラバやウィーンからの長距離バスも発着しています。
バルデヨフまで鉄道で行く
プレショフからバルデヨフまでは、鉄道で行くかバスで行くか迷ったのですが、鉄道旅行が好きということもあって、プレショフ駅から鉄道を使って行くことにしました。鉄道駅とバスターミナルは道路を挟んで反対側にあるので、鉄道とバスのダイヤを調べてから選ぶのもありです。
列車はこんな、近代的な気動車。チケットは地下の窓口で購入し、2.14ユーロでした。クレジットカードが使えるのがありがたかったです。なお、バルデヨフ行きの気動車は、他の旅行者のブログを見ていると
このようなレールバスが、数ヶ月前(2018年4月くらい)まで使われていたようなんですが、既にバルデヨフ路線からは撤退してしまったようです。個人的にはこれに乗りたかったので、残念ではありました。
プレショフ発バルデヨフ行きの列車は、日中は偶数時間の毎時24分発。僕は10時24分発の列車に乗りました。その前は8時24分、その後は12時24分なので、時間が合わない場合はバスを使うのがいいでしょう。
バルデヨフは終点なので、特に下車に困ることもありません。
バルデヨフ駅に着きました。
こちらも、鉄道駅とバスターミナルが隣接しているので分かりやすいです。
駅から世界遺産のバルデヨフ旧市街までは、徒歩10分もかかりません。
雰囲気はこんな感じ。どことなくポーランドの主要都市の旧市街(特にザモシチ)に似ています。
これが旧市街の広場。
旧市街広場にある、1番の見どころ「聖アエギディウス教会」。教会への入場料は1.5ユーロ、塔への追加入場料は3ユーロ(どちらも入口で合わせて購入可)、一眼などのカメラを持ち込む場合は更に2ユーロかかります。
この教会は、ポーランドの世界遺産・シフィドニツァの木造平和教会に似ていました。
街の雰囲気は、ザモシチ旧市街とシフィドニツァ教会を組み合わせた感じです。
教会の中の様子。
塔を上っての、展望台からの様子。この広場を一望できるのが、バルデヨフ1番の絶景スポットですね。
別の方向を眺めてみます。
まあ、正直言ってバルデヨフは3時間くらいあれば一通り見て回れます。近くの住宅を回ってもそこまで見どころはなさそうですし、プレショフとの移動で往復2時間強、滞在2~3時間で、半日あれば問題ありません。ので、コシツェ拠点にしても、そこまで不便ではなさそうです。
旧市街にはいくつもレストランがあって、スロバキア料理はもちろん、ピザもケバブもバーガーも食べられます。取り扱っているビールはチェコのピルスナーが多かったです。
なお、温泉保養地のバルデヨフ温泉までは6kmほどの距離があるので、タクシーを捕まえての移動になると思います。僕は温泉に訪れていないので、詳しい情報は割愛させて頂きます。
まとめ
今回はスロバキア東部・世界遺産の街バルデヨフの紹介と旅行情報をまとめました。シェンゲン圏内の東ヨーロッパの東部(ある意味極東)はディープな旅行スポットばかりですが、そんな場所に数日でも滞在してみてはいかがでしょうか。
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