ドナウ川のハイライト!ヴィシェグラードからドナウベンドを眺める日帰り旅行
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ドイツ南部のドナウエシンゲンに端を発し、はるばる黒海まで流れていく大陸ヨーロッパ1の長さを誇るドナウ川(ユーラシア大陸では2番目、1番はロシアのヴォルガ川)。

 

ドイツからオーストリア、スロバキア、ハンガリー…と流れていき、更に旧ユーゴ諸国など多くの国にまたがっているドナウ川ですが、そのハイライトはなんと言っても、ブダペストの上流、ハンガリー国内にある「ドナウベンド」と呼ばれる地域一帯。この「ドナウベンド」では、それまで西に向かって流れていたドナウ川が90度南に方向を変え、いよいよブダペストに向かっていきます。

 

そんな「ドナウベンド」(=ドナウの曲がり角、の意)には、センテンドレ、ヴィシェグラード、エステルゴムと言った観光地がありますが、今回はその中でもドナウ川1番のハイライトと言える、ヴィシェグラードでの観光を紹介します。

 

目次

知る人ぞ知るヴィシェグラード、実は意外に有名?

 

ヴィシェグラードは、ドナウベンド3都市のうち中間に位置する街で、ちょうどドナウ川が真南に方向を変える場所にあります。エステルゴムは更に北、センテンドレは更に南にあって、ヴィシェグラードへはブダペストから、鉄道で約50分、バスだと約1時間の道のりとなります。

 

そんなヴィシェグラード、名前自体はほとんど知られていないと思いますが、実はポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの4ヶ国を合わせて「ヴィシェグラード4ヶ国」と言うこともあります。これは、1991年に当時のポーランド、チェコスロバキア(解体前)、ハンガリーの3ヶ国が友好と協力を進めることを目的とした協力の枠組みとして、「ヴィシェグラードグループ」を形成しました。現在はチェコとスロバキアに分かれているので4ヶ国となっていますが、この合意がここヴィシェグラードで結ばれたために、そのような名前が付けられています。

 

ヴィシェグラード4ヶ国と言うと、EU諸国の中でも難民受け入れに反対をしているなど、ある意味「浮いている」存在として好意的な目で他の国からは見られないこともあるのですが、ともあれ、「ヴィシェグラード」という名前は、実は世界的に一定の知名度はあるのです。

 

ヴィシェグラードへの行き方

さて、余談が多くなりましたが、そんなヴィシェグラードには、鉄道とバスで行くことができます。ただ、鉄道とバスにはそれぞれ長所と短所があるので、まとめておきます。

 

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鉄道の場合

鉄道が走っているのはドナウ川の東側~北側で、厳密に言うとヴィシェグラードは通過しません。その対岸の街に駅があるので、その街から渡し船(!)を使ってヴィシェグラードに行く必要があります。

 

ただ、列車の本数は1時間に1本以上なのと、座席もまずまずの快適さなので、バスよりは便利な移動を楽しむことができます。

 

バスの場合

バスはブダペストのペスト側、Ujpestという場所から出ているのですが、ここはブダペストのやや郊外に位置しているのと、2018年7月現在で、その駅で接続している地下鉄3号線が工事のため運休しているので、街中からのアクセスが不便になってしまいます。しかもブダペストの東岸(ペスト側)から西側(ブダ側)に移動して、センテンドレ~ヴィシェグラードと移動していくので、ブダペストで滞在するホテルなどの場所によっては、バスを使うとただ不便さが増してしまうという場合も。路線バスの車両を使っているのでお世辞にも快適とは言えません。

 

ですので、バスを使うのであれば、別のドナウベンドの街・センテンドレ~ヴィシェグラードの移動に使うのがオススメです。ブダペスト~センテンドレは郊外列車(ブダペスト市内交通のチケットと、ゾーン延長チケットの追加購入で利用可能)が走っているので、ドナウベンドを旅行するのであれば、これらの交通を上手く組み合わせて複数のドナウベンドの街を合わせて見て回るのが勝手がいいです。

 

そんな状況で僕たちは、行きは鉄道を使って、帰りはバスと郊外列車を使ってヴィシェグラードに旅行に行ってきました。

 

鉄道はブダペスト西駅(Nyugati)駅から発着

ブダペストからヴィシェグラードに鉄道で行く場合は、西駅から乗車します。

 

この駅までは、地下鉄3号線が平日の日中のみ運転(工事の都合で)しているので、それを使うか、各種バスや路面電車を使って行くことができます。

 

駅舎正面玄関の右隣には、数年前まで「世界で1番美しいマクドナルド」に君臨していた店舗があります。

 

チケットは券売機で購入可能。ヴィシェグラード駅はなく、Nagymaros-Visegrád駅までのチケットを買って下さい(ヴィシェグラードの対岸の駅です)。ここまで列車で約50分、料金は約1000フォリント(400円)でした。

 

こんな場所に駅があります。美しいの一言でまとめるのが惜しいくらい。

駅前にはスーパーやレストランがあります。駅を出て左側に歩いて行くと、やがてドナウ川が見られます。

 

これがドナウ川。対岸にあるのがヴィシェグラードで、右手の山の上にあるのが城跡。ここが1番の観光地なので、後で向かいます。

川なんですけれど、水着を着て遊んでいる人もちらほら。7月のハイシーズンでこれだけ閑かなのが、良さであるとは言えますね。水温は25℃くらいでした。

 

こちらは、ハンガリーで有名な魚の姿フライ。「Hekk」とメニューに書いているので、それを注文すれば出てきます(フライドポテトは別料金)。

日本で言う、鮎の塩焼きのような立ち位置にある料理ですね。適度な塩味が利いていて美味しかったです。

渡し船でドナウ川を移動

さて、ヴィシェグラードは川の対岸(南側)にあるので、船にのって移動しないといけません(周りに橋はありません)。

川沿いに、アスファルトが川のすぐそこまで延びている場所があります。ここが船着き場になっていて、人や自転車はもちろん、車も乗せて川を渡ることができます。

ここが船着き場。船は、ヴィシェグラード側を起点にしてピストン運転を行っています。ので、ヴィシェグラード行きの船は、ヴィシェグラード側から船が来ると、人や車の乗降が済んですぐに出発。逆にヴィシェグラード発の船は、時間が決まっているようですが、ダイヤが確認できませんでした。恐らく、20~30分に1本のペースで運行されているはずです。

 

運賃は大人1人450フォリント。イメージとしては、広島県尾道の、本土と因島を結ぶ渡し船が近いでしょうか。

こういう船が、隣に付けたデッキ?を横から牽引していきます。乗船時間は約10分。

 

ヴィシェグラードに着いたら

ヴィシェグラードに着いたら、訪れてみたいのがVisegrad Citadelという、高台にある城跡兼博物館の施設。

というか、ヴィシェグラードの見せ場はとりあえずここだけなので、これを外さなかったら間違いありません。

 

ただ、この城跡までは路線バスが走っていないので、街中にあるcitybusという送迎バスサービスを利用する必要があります。

http://www.city-bus.hu/

(ハンガリー語ページ)

ここに掲載されている電話番号に繋いで、その場でバスをチャーターしてもらうことも可能ですし、予めスケジュールが決まっていたら、事前にメールか電話で問い合わせをして配車予約をしておくのもいいでしょう。

 

ブダペスト・センテンドレからのバスが付く停留所も船着き場と近いので、このあたりで場所指定をしておけば、問題なくピックアップしてもらえます。僕たちは、ハンガリーの電話番号を持っているので船を下りてから電話をして配車。英語は通じました。

バスの写真は取り忘れましたが、赤色のミニバンなので分からないことはないと思います。

 

城跡に着いたら

城跡に着いたら、入場料を払って散策をしましょう。ミニバスは片道か往復かを乗車時か降車時に運転手に伝えれば対応してくれます。往復の場合、観光時間は最低でも1時間は必要だと言われ、散策が終わったら駐車場で待っていてくれ、と言われました。

 

城跡への入場料は1400フォリント。オプションで蝋人形を作るワークショップみたいなのも別料金を払って付けられるようなのですが、興味がないので付けませんでした。

 

この城跡からは、ドナウベンドの雄大な姿を拝むことができます。

この、上の写真二枚が上流側(エステルゴムやブラチスラバ方面)になっていて、下の写真が下流側です。

実は、ドナウベンドが1番綺麗に見えるのは、ヴィシェグラードの先、2枚目の写真の曲がり角あたりを山の中腹から見るときで、ここだと川がV字型に曲がっているように見えるそうです。もしかしたら、citybusを使ってチャーター可能かもしれないので、興味のある方はぜひやってみて下さい。

 

この城跡には博物館もあって、中世時代の資料が沢山残っていました。

僕たちは風景写真を撮るのに時間を使ったのですが、博物館をメインで見ても、到底1時間では足りないと思います。ミニバスを利用する場合、散策を終えたらバスが待っていないこともあると思うのですが(他の利用客を拾いに行った可能性があります)、そういう時は気長に、バスを降りた駐車場で待っておくのもいいと思います。お土産屋さんやカフェもあるので、時間を潰すのには困りません。

 

ヴィシェグラードからバスでセンテンドレまで移動

さて、観光が終わったらバスでブダペスト方面に戻ります。バスの時間はバス停に書かれているので、街に到着したら事前に確認しておくか、ネットでも調べることができるので、それを前もって記録しておくのもいいでしょう。本数は30分に1本くらいのペースなので、鉄道より便利と言えば便利です。

 

バスは路線バスで、地元の利用者も当然ながら使うので座れないときもあります。運賃は乗車時に現金で払って、センテンドレまでは465フォリント。まあとにかく安いです。

 

ヴィシェグラード~センテンドレは約50分。センテンドレにはバス停がいくつかありますが、郊外列車に乗るのに便利なのは、センテンドレ駅最寄りのこのバス停。

駅前のロータリーに乗り入れているかどうかが分からないので、このバス停と駅の間を徒歩で移動するのがいいと思います(Google mapの経路案内はそういう結果でした)。

 

センテンドレからは鉄道に乗って、ブダペストのブダ側まで戻ります。ホテルの立地によって、バスでブダペストに戻る(ペスト側)か、鉄道で戻る(ブダ側)かを決めてもいいでしょう。ちなみに、郊外列車の終点(起点)は地下鉄2号線と接続しているので、利便性はまずまず良いです。

 

まとめ

今回はドナウベンドの1つ、ヴィシェグラードへの日帰り旅行についてまとめました。ハンガリーにはブダペスト以外にも絶景を楽しめる街が沢山あります。ドナウベンドもブダペストから日帰りで訪れられるので、ぜひ訪れてみて下さい。

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