2017年7月8日、9日の週末で、ポーランド唯一の世界自然遺産、ビャウォヴィエジャの森に旅行に行ってきました。今回はワルシャワからの行き方やツアーの利用方法についてまとめました。
目次
ビャウォヴィエジャの森はどこにある?
ビャウォヴィエジャの森は、ポーランドとベラルーシにまたがる国境一帯に広がる原生林。世界遺産はポーランドとベラルーシの両方で登録されていますが、旅行は基本的にポーランド側のみ、あるいはポーランド側からベラルーシに入って両国を旅行することになります。
地図を見て頂ければ分かりますが、もう国境間近。位置的にはワルシャワから東北東の位置にあって、ブレスト(テレスポル)よりは北、ビャウィストクよりは南に位置しています。
ワルシャワからビャウォヴィエジャに行くには
ビャウォヴィエジャには鉄道が走っておらず、バスかマイカーを使っていくしかありません、ポーランドなので、旅行の場合はバスを使うことがほとんどでしょう。
そのバスですが、ビャウィストク~ビャウォヴィエジャを結ぶバスがあるという情報がネットに転がっているのですが、僕は見つけられず、結局ワルシャワ~ビャウォヴィエジャの直通バスを利用しました。
Polskibusのサイトで、出発地にWarszawa、到着地にBiałowieżaと入力して検索をしましょう。バスはArrivabusという別のバス会社が運行していますが、Polskibusのサイトから予約できます。便利ですね。
2017年7月現在のバスのダイヤは、
ワルシャワ東駅9時30分→ビャウォヴィエジャ13時23分
ワルシャワ東駅14時50分→ビャウォヴィエジャ19時16分
の2本、逆にワルシャワに戻るバスは
ビャウォヴィエジャ5時05分→ワルシャワ東駅9時29分
ビャウォヴィエジャ17時58分→ワルシャワ東駅21時55分
の2本のみです。
ワルシャワからのバスは午前午後のどちらも利便性がいいですが、帰りのバスはなかなか不便な時間帯になっています。僕たちはワルシャワを午後に出発して、翌日の夜にワルシャワに戻ってくるバスを予約しました。
※曜日によってバスのダイヤが1時間ほどずれる場合があるので、検索時に十分ご確認下さい。
また、ワルシャワでの出発地は中央駅ではなく、ビスワ川をわたった東駅(プラガ地区)の南側のバスターミナルです。ここも間違えないようにして下さいね。
バスの移動時間は3時間30分~4時間20分ほど(経路が違うためバスによって異なる)ですので、道中時間を潰すためのアイテムは必須です。途中休憩もないので、軽食と飲み物も持参しましょう。
ビャウォヴィエジャにはツアー参加がほぼ必須
ビャウォヴィエジャ旅行の際に注意しないといけないのは、ツアーに参加しないとほぼいけない、ということです。これは、国立公園、世界遺産エリアに入るには必ず専属のガイドを付けないといけなくてはならず、旅行者だけで入ることはできないからです。
ですので、スケジュールが決まったらビャウォヴィエジャのツアー会社に連絡をして、ツアーの申込をしないといけません。
僕たちが利用したのは、PTTKというツアー会社。ほかにもツアー会社があるのかもしれませんが、この会社は森の入口のすぐ近くにオフィスがあってスタッフが英語も使えるので、ここを利用するのがいいでしょう。
PTTK bialowieza(英語ページ)
ツアーにはいくつか種類がありますが、ものによっては運転免許、あるいはマイカーを使うことが必須のものもあるので、そういうことができない場合は徒歩ツアーを利用する必要があります。
ツアーの種類は上の英語ページを参照して頂きたいのですが、徒歩ツアーの場合利用できるのは
・3時間(4.5km)258ズロチの自然保護エリアツアー(最もポピュラー)(6人まで同料金)
ツアー名:STRICT NATURE RESERVE FOR EVERYONE
・4時間(7km)344ズロチの自然観賞ツアー(僕たちが利用)(12人まで同料金)
ツアー名:"STRICT NATURE RESERVE FOR THE INQUISITIVE - “THE ROUTE TO JAGIEŁŁO OAK”
・4時間(7km)440ズロチの日の出前散策ツアー(8人まで同料金)
ツアー名:ORNITHOLOGICAL MORNING IN THE STRICT NATURE RESERVE - “BIRDS AT DAWN”
・6時間(約20km)450ズロチのディープな森林散策ツアー(6人まで同料金)
ツアー名:"PRIMITIVE HEART OF THE FOREST"
の4種類かと思います。
他のツアーは車をレンタルするか、マイカーを利用するか、あるいはバイク(いわゆる自動二輪なのか自転車なのかはサイトからは分からず)を利用する必要があって、バイソン見学のツアーもこれに含まれます。詳しく知りたい方は上の英語ページから調べて下さい(なお、バイソンツアーは午前2時~3時くらいに始まるものが多いそうです)。
僕たちはメールでの申込時に人数、曜日、時間(希望時間を伝えられます)を連絡した後、指定の銀行口座に前金をいくらか振り込んで、残りを当日にオフィスで支払いました(クレジットカード利用可)。なお、こちらの銀行口座を持っていない場合、前金をクレジットカードで払えるかどうかは分からないので、直接お問い合わせ下さい。
このツアーに申し込めば、あとは当日、PTTKのオフィスに出向いて申込者名を伝えてお金を払えば、ガイドさんが案内してくれます。
ツアーの様子
僕たちが利用したツアーは、7月9日の午前8時からのものでした。
朝早いので起きるのに苦労しました(し、ホテルからオフィスまでが地味に遠くて疲れた)ので、午後からにしたほうがよかったかな、なんて思っていましたが、結果的に午前中からにしてよかったです。理由はあとで。
公園の入口近くにあるオフィス…はこの写真に写っているものではなく、この右手にあります。
余談ですが、ベラルーシは入国するのにビザが必要(現在、ミンスク空港入出国で5日間だけならビザ無しで滞在できますが)なんですが、このビャウォヴィエジャ散策のツアーでベラルーシに入国する場合は、当日オフィスで入国許可申請(admission)をすればOKらしいです。もしかすると、一番簡単にベラルーシに行ける方法かも知れません。
ガイドさんの案内が始まるとすぐ、池を渡ります。ここからが国立公園の敷地内です。
この建物は、かつてツァーリが建てたもの(らしい)。このあたりはかつてポーランド領だったりロシア領だったり、なかなか歴史の動きが複雑です。
しばらく歩くと、こんな立派な建物に案内されます。ここが国立公園の入場制限エリアに入るための入場料を別途払う必要がある場所で、大人6ズロチ、学生(ポーランドの学生証を持っている必要あり)3ズロチです。
チケットは渡される、レシートのみ受け取ることになります。この後、特に支払いをしたかどうかの確認は受けませんでしたが、確認が必要な場合はレシートが証拠になるので、このレシートはなくさないようにしましょう。
こんな感じの道を歩いて行きます。
このあたりはまだ道が整備されています。ちなみにここは一般道で、お金を払わなくても歩けます。
途中、コウノトリっぽい鳥がいました。ちなみにコウノトリはポーランドの国鳥です。子どもを授けてくれるというのは日本と同じいわれがあるようですね。
途中で見た看板。
しばらく歩くと、こういう門に到着します。
ここからが制限エリアで、ガイドさんと一緒に入らないといけません。逆に言うと、この門の手前まではガイド無しでも歩くことができて、普通にペットを連れて散歩している人がいました。
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門をくぐると
ここからは写真をご覧下さい。
こんな感じで、木、木、木、緑、緑、緑…の連続。本当にこれしかありません。
そんでもって、木がめちゃんこ高い。
時々、人間が切り倒したような木もありますが、大半は自然に倒れたりしているものです。
木にキノコが沢山生えています。
ここまで苔が生えている木はあまり見たことがありません。
森の中で見られる動物は、モグラ、カエル、鳥(キツツキ)、リスなど。キツツキが木に開けた穴も沢山見られました。
見事に木と緑しかありません。が、ディテールは1つ1つ違うので、飽きないんですよね。
途中、ガイドさんが「ここから5km歩けばベラルーシの国境に着くよ」と教えてもらった所がありました。なんでも、一応illegalに国境を超えることは不可能ではないみたいなんですが、ポーランドはEUの最東端でもある(ベラルーシはEU外)ので、国境には監視カメラや柵があって、好奇心で片足だけベラルーシに入れる、というのも厳しいみたいです(そもそも、国境まで道が続いているかも不明)。
苔ってここまで生えるんですねえ。
なお、勘のいい方ならうすうすお分かりかも知れませんが、歩き続けていると見事に方角や自分の位置が分かりません。
道がいくつか分かれているのですが、その道も1人だと見失ってしまいそうです。
実は、制限エリアの門の所にも監視役やチケット確認スタッフもいない(監視カメラはある)ので、「もしかしたら1人で入れるんじゃない?」みたいなスケベなことを考えてしまったわけですが、多分ここ、ガイドなしで入ってしまうと一生戻って来れないと思います(笑)
場所によっては上の写真のように、歩行者通路があるんですが、他はほとんど轍でした。
しかし、目印全く見当たらないのに、ガイドさんはどうやってコースを覚えるのか不明ですね。
人はほとんどおらず、鳥の鳴き声が聞こえるだけでとても神秘的なところです。ヨーロッパにこんな所あるんだ…って感じでした。今思い返してみると、もののけ姫の世界のような気はしますね。
こちらは、樹齢250年の巨木なんですが、中が見事に空洞でした。こんながらんどうでも木は生き続けるらしい。自然って偉大ですね…。
こちらも空洞の木。
日が差している時が一番鮮やかな緑になります。
こちらはモグラの穴。
ちなみに、ビャウォヴィエジャの森は面積がとてつもなく広いですが、今回ツアーで回った所を地図で確認してみると、ポーランド側の入口も入口、ちょっと森にかすっただけのような面積でした。全然、このビャウォヴィエジャの森を知ったことにはなりませんね…
ツアーに参加するときのオプション
ツアーによっては、双眼鏡をレンタルすることもできます。ツアーによっては双眼鏡を使うのが推奨されるものもあるので、サイトを確認して、不安であれば問い合わせてみましょう。僕たちが参加したツアーは必要ありませんでした。
ツアーに参加するときの服装
6時間のツアーに参加するのであれば、トレッキングシューズにスパッツ、防水加工のズボンやウィンドブレーカー、防止のように、しかるべき服装をしたほうがいいと思いますが、3時間、4時間の徒歩ツアーであればスニーカーやジーンズで大丈夫だと思います。
虫が多いので、念のため虫除けスプレーを持参して夏は日焼け対策も忘れずに。ソックスはくるぶしを隠す長いソックスがいいでしょう。
ツアー参加は午前中をオススメする理由
これはずばり「人が少ないから」です。
僕たちが朝8時に参加した際は、他のお客さんもあまりおらず「世界遺産なのにこんなに閑散としているのか~」なんて思っていましたが、制限エリアに入ってツアーを進めていくと、途中からぼちぼち、他のお客さんともすれ違うことが多くなりました。
帰りは同じ門をくぐってエリア外に出ますが、門に戻る道を歩いているとすれ違う人の数も多く、多くの方が午前10時くらいからツアーに参加されているようでした。
最初に入場料を払った場所まで戻った時はいくつかのグループがいたので、午後からになると更に人は増えるでしょう。
午前8時から参加すると森の中には人もほぼおらず、まさに緑と木だけを写真に撮ることができたので、早起きは大変でしたが結果的にこの時間からのツアーを利用してよかったと思っています。
なお、ツアーは種類にもよりますが、最も早いものは日の出の1時間前(夏至付近だと午前3時スタート?)に出発するものがあります。ですので、午前8時より前にツアーを利用することも冬以外は可能です。
ビャウォヴィエジャの森ツアーのベストシーズン
ビャウォヴィエジャの森は、個人的に夏しかいけないイメージがあったのですが、ガイドさんによると四季折々の良さがあるそうです。春は様々な鳥がいてバードウォッチングに最適、夏は緑を鑑賞して、秋には紅葉が見ごろとなるようです。そして冬はバイソンの繁殖期のようで、野生のバイソンを見るのであればなんと冬がベストなんだそうです(寒くて雪も降るエリアなので、バイソンどころじゃなさそうですが)。
まとめ
今回は、足早にですが世界遺産・ビャウォヴィエジャの森への行き方やツアーの利用方法についてまとめました。
ビャウォヴィエジャにはバイソンが見られる動物園もありますが、それについてはまた別の記事で書ければと思います。
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