渡航制限がかかる中、KL891便でアムステルダムから関空までビジネスクラスで移動した
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この記事を書いているのは2020年6月末ですが、1ヶ月ほど前に、ヨーロッパから日本に、一旦帰国をしました。

 

そのときに利用したのは、3ヶ月前にも使ったKLMオランダ航空の関空行きのビジネスクラス。

 

まさか3ヶ月後に、同じ便を利用して再度大陸横断をすることになるとは思っていませんでしたが、今回は、世界的なコロナの流行の中での、特殊な状況での移動。

 

その特殊な状況がどんなものだったのかも含めて、ここにまとめておきたいと思います。

 

目次

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チケット購入は4月の半ばに

世界的にコロナが流行し始めたのが2月上旬から下旬にかけてで、その後3月に入ると、中旬にはヨーロッパ全域でも入国制限・渡航制限が始まりました。

 

僕が日本での一時帰国を終えてヨーロッパに戻ったのが3月10日頃でしたが、この数日後には、突如ヨーロッパ圏外・圏内を含めての入国や移動制限がかかり、ヨーロッパに戻っても2週間の隔離が必要、といった条件が課され、移動そのものがままならない状況に突入しました。

 

自分はギリギリ「間に合った」だけなので、運が良かったとしか言いようがありませんでしたが、問題は、滞在許可の有効期限が6月中旬だったので、それまでには一旦帰国をしなければならない、ということ。

 

本来、ワーキングホリデーのビザを持っていると、有効期限が切れる前に一旦出国をして、再度入国をすれば90日間は無査証でヨーロッパに滞在できる、というルールになっていますが、このコロナの状況では「日本などからの観光目的での入国を一時的に禁止」することになり、「無査証滞在=観光目的での滞在」ということになり、ビザが切れた後にヨーロッパに残ることは、この状況では違法になってしまうみたいで、僕としては、滞在許可が切れる前に、一旦日本に戻る必要がありました。

 

 

で、帰国のチケットを確保する必要があったのですが、入国制限が全世界で発令された3月下旬には、ほとんどの飛行機が飛ばなくなってしまい、そもそも「日本にきちんと帰れるのか」という問題を合わせて、考える必要がありました。

 

加えて僕の場合、日本の拠点が関西なので、東京で入国してしまうと地元まで公共交通機関を使わずに移動をしなければいけない、あるいは2週間ホテルに滞在しなければならない、という条件があり、さすがに東京から関西まで自力で移動するのは難しいので、関空に到着する飛行機を利用することを本命で考えていました。

 

が、3月下旬の時点で該当するフライトは、オランダ航空のアムステルダム~関空便のみ。普段はルフトハンザ、スイスインターナショナル、エールフランス、フィンエアー、あとは中東経由の便も飛んでいるのですが、選択肢がほぼ1つに絞られてしまったこと、そして、この状況もいつまで続くか分からない(最悪の場合、オランダ航空がキャンセルになってしまう場合もある)ことから、判断には細心の注意が必要でした。

 

そのため、3月下旬からは、普段日本に定期便を飛ばしている国の大使館(ベルギー、ドイツ、オランダ、フィンランド、フランス、ポーランドなど)のメールを全て登録して、4月以降のフライト運航予定がどうなるのかの情報収集に、相当エネルギーを割きました。

 

結果的に、オランダ航空は関空行きのフライトを4月も5月も飛ばし続ける、という情報があったことと、他の国経由の便は当面飛ばなさそうであることを踏まえて、アムステルダム乗り継ぎの関空行きのチケットを予約しました。

 

 

なお、アムステルダムは経由地だったのですが、アムステルダムまでの飛行機が飛ぶかどうかも合わせて考える必要があったため、最悪の出口戦略として、

・オランダのLCC空港(アイントホーフェン)までLCCで飛んで、そこからアムステルダムまでタクシーなどを使って移動

・ロンドンまでLCCで飛んで、ロンドン~アムステルダム~関空をオランダ航空で移動

という2つの方法も考えた上で、オランダ航空を予約することにしました。

 

 

なお、ビジネスクラスを予約した理由としては、

・帰国時に検疫で、空港で3時間ほど待機する必要があって、11時間、時差のあるフライトで座ったまま移動した後、更に空港で3時間待つのは無理だと判断したこと

・荷物が多く、エコノミークラスに追加料金を払って予約するのと、ビジネスクラスを予約した場合、2万円ほどしか運賃が変わらないこと

・最悪フライトがキャンセル、変更になった場合でも、ビジネスクラスだと優先的に対応してもらえるのではないか、ということ

の3つを考慮して、ビジネスクラスを予約しました。

 

ちなみに、ヨーロッパに戻ることも考えているので、復路をエコノミーで、半分捨てチケットとして予約して、往復で約15万円ほどでした(ビジネスクラスの運賃が12万円ほど。これを片道予約すると、片道で20万円ほどしたと思います)。

 

 

というわけで、5月の運行スケジュールがほぼ確定した4月中旬に、オランダ航空のチケットを予約しました。

 

 

というわけで、以下、フライトの様子についてまとめていきます。

 

ガラガラのスキポール空港、1分で済んだ出国審査

帰国当日にアムステルダムに到着したのは、14時前。通常のスケジュールでは、アムステルダム発関空行きのフライトは15時頃に出発ですが、この状況での特別ダイヤが組まれていて、出発は16時半頃。

 

ですので、乗り継ぎで2時間半あれば、いつもの乗り継ぎだとやや余裕があるかな、くらいに考えていましたが………

 

ヨーロッパ屈指のハブ空港のスキポール空港にも、全然人がいません。

到着ゲートから出国審査場までは、同じ便に乗っていた人だけがまばらに移動していた以外は、他の利用者も数えるほどしかおらず、ある意味「ゴースト空港」とでも言うべき状態でした。

 

これは出国審査ゲートで、後ろを撮影したもの。10個くらいあるカウンターは全てビニールで覆われていて、1つだけ窓口が開いている状態。他に出国審査をしている人は1人だけで、スタンプをすぐに押してもらって1分も立たずに、出国審査が終わりました。

 

そういえば、普段はヨーロッパ圏内で乗り継いで帰国するとき、出国審査を受けた後に手荷物チェックはないのですが、このときは簡単なチェックがありました。

 

これはフライトの案内掲示板。8個ある掲示板のうち、一番左の、更に上半分だけで表示されるほどに、このときはフライトが減っていました。これはこれで、すごくシュールなシーンでした。

 

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クラウンラウンジを利用するも…

スキポール空港には、ビジネスクラス利用者やフライングブルーの上級会員が利用できる「クラウンラウンジ」があります。

 

このラウンジは、3ヶ月前にも利用したのですが…

 

今回のフライトでも、関空行きの搭乗が始まるまでは、このラウンジで時間を潰そうとは思っていたのですが、実際に中に入ってみるとびっくり。

 

ガラガラです。

 

 

3ヶ月前は、「上級会員ラウンジでもこんなに利用者がいるのか…」ということに正直辟易したので、さすがにここまで人が少ないと、それはそれで怖いです。

 

感染症の拡大を防ぐために、食事やアルコールは一切準備されておらず、利用できるものと言えば、インターネットと飲料水、そしてコーヒーだけ。

ワンフロア上には有料のレストランもあるのですが、ここも営業していませんでした。

 

利用者は、入室したときに何人かいましたが、僕が搭乗口に向かうときにはさらに減っていて、ほぼ誰もいない様子でした。

 

シャワーは利用できたのかもしれませんが、今回はそこまで待ち時間があったわけでもないので、それは省略。

 

ラウンジ利用は、ビジネスクラスの特典の1つだと考えているので、ここまで「開店休業」状態だと、さすがに割を食っている感じに思えました。もちろん、これだけ大変な状況の中で営業をして下さっている方には頭が上がらないのですが…。

 

いよいよ、特殊状況でビジネスクラスに搭乗

16時前に搭乗口が開くということだったので、少し早めに行って入口の手前で待機しました。

 

乗客は、搭乗口手前のスペースに収まる程度の人数で、恐らく60人ほど?でした。ここまで少ないのも異常ですね。

 

利用者の内訳は、8割ほどが日本人で、残りは外国人。確か、日本は外国人の入国を厳しく制限しているので、特別永住権とかを持っていないと入国できなかった気がするのですが……。

 

使用機材はB787-9で、通常のときと変わらない運用。しかし、サービス面では色々と変更があるようでした。

 

まず、食事面では、温かい食事が1回だけ用意されて、残りは、手元に用意されたバッグに入っているものだけ。

要するに、CAさんと乗客の接触を最低限に抑えるため、ということなのですが、思っていた以上に簡素化されていて驚きでした。

ビジネスクラスの利用率は3割ほど。家族連れの方も見かけたので、駐在などの生活を切り上げて帰国されたのかもしれません。

 

ビジネスクラスだと、他の乗客との距離も確保されるので、その点でも安心感はありますよね。

 

バッグに入っている食事はこれが全て。スナック類は、ギャレーに用意されていて追加で食べることができましたが、これで軽食と翌朝の朝食を済ませないといけないので、食べるタイミングとか、少し考える必要がありました。

 

なお、アルコール類の用意も一切ないので、ビジネスクラスとは言っても、事実上「横になることができる」ことだけがメリットと言っても過言ではありませんでした。

 

もちろん、この状況なので必要以上のサービスは求めないですし、飛んでもらえるだけ有難いことではあるんですけどね。実際、横になれるだけでも全然疲労が違いますからね。

 

で、離陸して少ししたら、検疫問診票(?)が配られました。

海外の航空会社なので、日本語版の書類が手に入らない状況なんですよね(往路が欧州発なので)。税関用紙も英語だけで、英語が分からない場合は日本に到着してから記入する必要がありました(検疫用紙も同様。空港到着時に、日本語の用紙が配られます)。

 

離陸したのが16時50分頃で、オランダ時間の19時頃に、唯一の温かい食事が出されました。

 

が、出てきてびっくり、エコノミークラス仕様のもので、選択肢もなし。

 

まあ、普通のビジネスクラスの食事は、有名シェフが監修していますから、この状況でそこまで求めるのは酷ですよね。が、せめてパスタ以外の、タンパク質系の食事を食べたかった………。

 

 

そういえば、飛行機に乗ったのが5月末で、夏至まで1ヶ月を切っている、という時期でした。この時期に北極圏近辺を飛ぶ飛行機に乗ったことがなかったんですが、日本行きのフライトだと、進行方向左側が北極方向になるので、太陽が沈んでも完全に暗くはならない………という、マジックアワーがずっと続いていく、不思議なシーンを見ることができました。

 

機内エンタメで、スターウォーズのエピソード9が見れたので、これを見ながら永遠に続く夕焼けを楽しんでいました。

 

で、気づいたら寝ていて、タイムゾーンを越えて翌朝に。

 

関空には、予定よりも50分ほど早い10時過ぎに到着しました。

 

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空港に着いてから~検疫の流れ

最後に、空港での検疫チェックの流れについて簡単にまとめておきます。

関空の場合、空港に着いたらそのまま機内待機を命じられ、検疫官が機内に入って、乗客1人ひとりの体温を測定しました(額にかざしたら自動的に測定できる体温計です)。

 

検温が終わって、更に少し機内待機を続けたあと、家族連れ、外国人、それ以外の人、という順番で空港内に誘導され、コンコースで距離を開けて、もう一度待機する必要がありました。

 

この待機の間に、「自宅まで公共機関を使わずに帰るかどうか」を聞かれて、この条件に当てはまる場合は、検疫をした後にすぐ入国、手荷物預かりをして自宅に向かうことができます。

 

自宅まで公共交通機関を使わないといけない場合は、検疫結果が出る間で空港の中で待機しないといけないようです。

 

 

検疫では、鼻の中の粘膜を採取して、結果が出るまでに1日ほどかかる、ということでした。自宅まで公共交通機関を使わない場合、検疫結果の報告は自宅(あるいは携帯電話)に、翌日にかかってきます(ここで陽性結果が出ると、医療機関に移動しないといけません)。

 

僕は陰性だったので、2週間の待機期間が終わるまでは、毎日管轄の保健所から、問診チェックの電話がかかってきました。

 

なお、問診チェックはLINEでもできるようなのですが、「日本の携帯電話番号でLINEを登録している」ことが条件のようで、僕は確かFacebookでLINEアカウントを作ったので、結局このシステムは使えませんでした(厚労省の専用アカウントを検索して、友達登録もできるのに、本人確認ができないからなのか(?)、問診の自動メールが送られてこない、というクソっぷりでした)。

 

 

飛行機を飛ばして下さった航空会社には感謝

というわけで、こんな感じで、大変な状況の中無事にヨーロッパから日本に戻ってこれました。航空会社は、採算の問題などもあって、この状況で飛行機を飛ばすこと自体も大変だと思います。

 

そんな中で、実際に安全第一で運航してもらったオランダ航空には頭があがりません。

 

この大変な時期だから、ということも、ビジネスクラスを使って少しでもお金を落とそう、と思った理由の1つでしたが、またこれまでのように、飛行機を利用できるようになって欲しいな、と思います。

 

 

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