海外で駐在や留学、ワーホリをするために半年~数年間日本を離れる場合、頭を悩ませるのが「携帯電話の契約をどうするか」という話です。
もちろん、現地では現地のSIMを契約して通話やインターネット通信ができるので、(言葉の壁さえ超えれば)特に問題ではないのですが、ネックになるのが「日本でこれまで契約していた番号をどうするか」です。
何が問題になるのかというと、
①日本を長期で離れるので、基本的に日本の電話番号(SIM契約)は必要ない
②しかし、日本のSIMを持っていないと、一時帰国のときなどに電話やSMS(アプリの認証などに必要)、インターネットなどができない
③一時帰国時のために日本のSIMを契約し続けるのは、多かれ少なかれランニングコストがかかるので、金銭的負担が多少なりとも出てしまう
という3点が挙げられます。
これら3点を一気に解決する方法としては、「帰国時に空港のカウンターで、外国人旅行客向けのプリペイドSIM(2週間とか1ヶ月とか、使える期間が決まっているものを使う」という方法もあるのですが、
・帰国の際に逐一契約をしないといけない(=帰国のたびに毎回電話番号が変わる)
・帰国時と出国時の契約+返却手続が手間
という2点が煩雑なことに加えて、
・外国人旅行者(短期滞在者)向けのサービスなので、どうしても日割り計算すると使用料が高めになる傾向にある(2週間でで3000円前後、など。サービスプロバイダーにより違う)
という、使用期間に対しての割高感もネックとしてあります。
これらの課題を踏まえて、僕が海外移住をする際(2016年のポーランド移住時)には、半年ほど前から
①iPhoneのSIMフリーを購入し、
②インターネット通信のみできる格安SIMを日本で契約(ヨドバシカメラのSIM。2018年頃にこのSIMのサービスは終了)、
③電話はIP電話サービスである050plusを契約し、080の番号を持たずに格安で通話をできる状態にし、
④海外生活中もSIMの契約は続け(月額500円ほど)、一時帰国時にはSIMを差し替えて、そのまますぐに使う
という方法を使って対応していました。
この方法だと、海外にいながらも050の番号を持ち続けられ、またインターネットが繋がれば日本だろうと海外だろうと電話の発信と着信ができるため便利だったのですが、このときに使っていたSIMにはSMS認証用の番号もなかったため、日本滞在時に新しいアプリに登録したり、既に使っているサービスの二重認証ができなかったり、という不便さもありました。
この不便さを解決するために、2019年の秋に、日本で契約しているSIMをヨドバシカメラのものからイオンモバイルに変更しました。
イオンモバイルの1GBプラン・SMS認証用の番号を持てるプラン(=通話用の番号はない)で、月額680円ほど。これで、海外にいる間でも、月額680円を払い続ければ、一時帰国時に問題なくインターネットとSMS認証ができるようになりました。
(当時は実家にいたので、実家のインターネット回線に繋げばSIMの通信量を消費しなかったのと、外に出る機会もそこまで多くなかった、というのが、最安の1GBプランを選べた理由でした。)
ただ、2021年現在、このイオンモバイルを使うよりもリーズナブルに、日本のSIMを使い続ける方法が存在します。
それが、楽天モバイルです。
目次
スポンサードリンク
楽天モバイル(UN-LIMIT)のすごい点は「データ通信量が1GB以下/月なら、基本使用料が0円になること」
楽天モバイルのすごさは、「データ通信をしなければ(1GB以下であれば)、その月の料金は0円になる」という一点につきます。
楽天モバイルの公式サイトでも、以下のように説明されています。
注意点としては「1回線目のみ」ということなのですが、海外生活をするに当たって1人で2回線目以降を持つことはまずないでしょうから、この点は特に気にする必要はないでしょう。
詳しいデータプランを、こちらも公式の表を引用すると、以下のようになります。
楽天モバイルは一番左側の縦列。一時帰国などで、1ヶ月のうち数日~数週間日本にいる間でも、
・~1GB 0円
・1GB超~3GB 980円(税別)
・3GB超~20GB 1980円(税別)
・20GB超~ 2980円(税別)
という分かりやすい+廉価な料金設定になっており、携帯電話の通信回線で動画視聴やネットサーフィンなどをしなければ、あるいは、Wi-Fiを上手く拾ったり使えば、3GBを超えることはまずないかと思います。
しかも、楽天モバイルを契約すると、自動的に電話もSMS送受信もできる携帯電話番号が付いてきます。通話のシステムは
このように、スマホにデフォルトで搭載されている通話アプリか、楽天モバイル専用アプリを使うかで無料時間が変わるのですが、いずれにせよ、この記事の上で紹介した050plusを使うことだってできますし、通話料についてはほとんど気にする必要もありません。
これだけのサービスが付いても、毎月必ず700円ほどの支出がかかってしまうイオンモバイルよりも、割安に使えてしまいます。(半年に1回帰国するとしても、イオンモバイルの場合は4000円ほどランニングコストがかかってしまいますが、楽天モバイルだとほぼ0円、日本にいる間に20GBを超えるデータ通信をしても、1ヶ月であればイオンモバイルよりもコストが安いですね。)
申し込みもウェブと店舗の両方が使えるのが魅力。店舗はこちらのリンクから検索することができます。
iPhoneユーザーにはとっつきにくかった点も改善
実は、楽天モバイルをiPhoneで使うのは、少し前は制限がキツかったようなのですが、現在はiOSを14.4以降にアップデートして、キャリア設定アップデートをすることで、機種に限らず楽天モバイルを使うことができるようになったようです。
詳細はこちら。
スポンサードリンク
楽天モバイルに契約期間縛りはある?
スマホのSIM契約で必ず気になるのが2年契約縛りですが、楽天モバイルに2年縛りなどの契約期間縛りはなく、最低契約期間もなく、契約をして終えたいときにすぐに終えられるようです。
楽天モバイルを契約して海外で使う際の唯一の注意点
楽天モバイルを契約して海外で生活する際に気を付けないといけない、唯一といっていい点は、「180日以上楽天モバイルの使用がないとペナルティ(回線利用の停止や解約)を受ける」ということです。
これは、楽天モバイルの「重要事項説明書」に書かれていますね。
「ご契約中であっても、180日間のデータ通信が0GB及び通話が0回の場合等において、当社から事前通知のうえ、回線の利用停止または解約をさせていただく場合がございます」とあります。
これを避けるには、180日(半年)以内に一時帰国をするのが一番神経をすり減らさずに済むかと思うのですが、そうすることができない方にとっては、「海外の特定の場所でデータ通信を0.1GBでもいいから利用する」という方法を用いるのが、現実的な対策となりそうです。
この「特定の場所」については、楽天モバイルの公式サイトで以下のように説明されています。
2021年11月にこの説明を見ると「2020年3月3日時点」となっているので、この1.5年ほど変化がないと思われますが、
アイスランド、アイルランド、アメリカ(ハワイ)、アメリカ本土、アンドラ、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、カンボジア、韓国、キプロス、ギリシャ、グアドループ(=カリブ海にあるフランスの海外県)、グアム、クロアチア、サイパン、ジブラルタル、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、タイ、台湾、チェコ、中国、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、ブラジル、フランス、フランス領ギアナ、ミャンマー、メキシコ、モロッコ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、レユニオン(=インド洋に浮かぶフランスの海外県)、ロシア
となっており、欧米、大洋州、及び東南アジアの主要国をはじめとする国が該当します。
現地にいる間には現地のSIMを使って、180日の間で1日でも2日でも、楽天モバイルのSIMに差し替えて少量のデータ通信をするのが良さそうですね。
スポンサードリンク
まとめ:海外長期移住をされる方は、日本のSIMを楽天モバイルに変更されるのはいかがでしょう
日本から海外に長期滞在に行く場合、日本の携帯電話番号を残しておくかなど、使用料(ランニングコスト)も含めて一度考える必要があるかと思いますが、個人的には、楽天モバイルを使ってタダでも電話番号を保持できるのであれば、これを利用しない手はないと思います。
日本の番号があれば、家族や友人との連絡も取れますし(今は電話番号を使うことはほぼないかもしれませんが)、SMS認証にも使えるのが便利な点です。
僕が海外で生活をしていたときは、このような便利かつ廉価なサービスがなかったので、毎月のランニングコストを細々と払い続けて番号を維持する必要がありましたが、今はもうそんな自体ではなくなりました。
ぜひ、これから海外に行かれる方は、日本の携帯電話番号を持っておく手段として楽天モバイルを検討されてみてください。
スポンサードリンク
ちと被害妄想ではないですか。物価目当てで訪れる日本人が増えても最初のきっかけにす…