クラクフ・シンドラーの工場跡に立てられた歴史博物館を回る
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今回は、映画「シンドラーのリスト」でも名高い、オスカー・シンドラーが第二次世界大戦中に経営していた、クラクフにある工場跡に作られた博物館の紹介です。

 

目次

オスカー・シンドラーの工場とは

オスカー・シンドラーは現在のチェコのツヴィッタウ(当時はオーストリア・ハンガリー帝国領)生まれで、ナチスの党員となった後、ナチスドイツがポーランドに侵攻(第二次世界大戦が始まった)直後にクラクフにやってきて工場を買い取り、実業家として闇商売で事業を拡大していきました。

 

その後シンドラーが、ナチスに抵抗してできるだけ多くのユダヤ人を救出するために、ユダヤ人の救出リストを作った、というのは映画「シンドラーのリスト」にもなっているようにあまりに有名な話ですが、そのシンドラーが経営していた工場跡が、現在は歴史博物館(第二次世界大戦前夜から戦中、戦後の、クラクフの歴史についての博物館)となっています。

 

先日そこを訪れてきたので、このブログでまとめました。

 

シンドラー工場博物館の場所と入館情報

この工場は、クラクフの南東部、ビスワ川の東側にあります。

 

最寄りのトラム乗り場は、ゲットー英雄広場がある場所です。ここから徒歩6分程度東に歩いていくと、工場跡のシンドラー博物館に到着します。

これがその広場。クラクフはGoogle mapで調べてもバス停などの情報が出てこないので、jakdojadeを使うなりして駅の名前は調べて下さい。

 

こちらが入口。

僕は日曜の昼間から行きましたが、チケット売り場には長蛇の列が。

このシンドラー博物館ですが、1日の入場制限があって、オンシーズンの週末はもしかしたら事前にオンラインチケットを購入しておいたほうがいいかもしれません。

https://bilety.mhk.pl/rezerwacja/wydarzenie.html?lang=en

このリンク先から「Schindler’s Factory - permanent exhibition - Individual visitors」を選択して購入して下さい。値段は21ズロチで、事前でも当日でも変わりません。

 

営業時間は、シーズン(夏期と冬期)で異なるのと、曜日によっても違ってくるので、詳しくは以下のリンク先の左側をご確認下さい。

http://www.mhk.pl/exhibitions/krakow-under-nazi-occupation-1939-1945

月曜は10時~14時の営業で、正直言ってギリギリの時間だと思うので、それ以外の曜日に行かれることをオススメします。

なお、僕が訪れた時(9月の日曜の午後2時頃)だと、残りの定員は345人となっていました。この時間から300人以上が押しかけるのはキャパ的に無理があるので、恐らくピーク時でもチケットが事前に完売、ということはないと思いますが、入口で待たないといけないとか、時間がかかると思うので、確実性を求めるなら事前予約がベターでしょう。

 

博物館を巡る

以下、写真と共に博物館の中を見ていきます。

最初のコーナーは、ナチス侵攻前のクラクフの様子が当時の写真や資料から学べるコーナー。なんか、ものすごく愛国心を揺り動かす展示品も沢山ありました。

 

その後、ナチスが侵攻して、ポーランドも対抗して戦ったけど戦力と装備が違いすぎて全くお話にならなかった、というようなことが書かれてあります。

これが、当時のポーランド側が使っていた戦車みたいですが、確かにめっちゃ弱そう…。

 

この動画は、当時ナチスがどうやって侵攻していって、赤軍がどのように支援をしたのか、という流れが掴めるものでした。ポーランド側の撤退具合もものすごかったですが、ナチスがリビウあたりまで侵攻していたのもここから分かります。

 

次のコーナーからは、ナチスがポーランドを占領して「Germanization」がどのように進んでいったのか、ということが学べるのですが、いきなりハーケンクロイツが目に飛び込んできます。

 

国土を占領されて国民や多くの他の民族が蹂躙された側が、このような展示をするのは本当に頭が下がります。

ドイツでは、ナチスは忘れたい記憶になっているようで、あまりこういう展示がされていない、なんて聞きますけれど、是非クラクフまでやってきて、色々と勉強して欲しいと思いますね(実際、博物館を歩いていたらドイツ語らしき言葉もちらほら聞こえてきました)。

 

こちらは、ヤゲロン大学がナチスの監視によって、授業ができなくなった、みたいなことが書かれていた展示。

 

これは映像。よくこういうのが残されているな、と思います。

ナチス占領後、クラクフの8番トラムはドイツ人しか乗れなかった、という資料。

 

何回も書きますが、これを被占領国側ができるだけ客観的な検証主義に基づいて資料を残して公開している、ってことに、非常に大きな価値があるんですよね。

Germanizationされたクラクフ中央駅(Hbfは、ドイツ語で「中央駅」ですね)。これはさすがに僕も違和感ありますし、嫌だなあと思いましたね。

 

このシンドラー博物館では、シンドラーのことはほとんど展示されていないんですが、一部のエリアで一通り説明はされています。

上の写真は当時の工場で作られていたホーロー。

「シンドラーのリスト」が書かれたらしい机。この展示は、リトアニア・カウナスにある杉原千畝博物館の展示を彷彿とさせますね。

館内の一角に、プワシュフ強制収容所を再現したエリアもありました。

 

他には、当時の庶民生活の様子を再現した部分もありました。

 

 

と、まあざっと見てこんな感じなんですが、展示は多いし説明文も多く、2.5時間くらいはかかってしまうと思います(僕は3時間くらいかかりました)。

 

この博物館の入場最終時刻は、閉館の90分前のようなんですが、これだけの時間だと普通は絶対に足りないと思うので、早めに訪れてゆっくりと回るのが正解かと思います。

 

まとめ

シンドラーの工場跡に作られた博物館を今回は紹介しました。

シンドラー本人やその取り組みについての展示よりも、歴史的資料の客観的展示に重みが置かれているので、シンドラー目当てで訪れるとやや期待外れかもしれませんが、それでも訪れる価値が十分にあります。

 

合わせて、映画「シンドラーのリスト」も観てみたいですね。

 

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