ハンガリーで生活をする際に必要なのが、アパート探しと賃貸契約です。
今回は、ハンガリーでワーキングホリデーなどを使って長期滞在をするときに役立つ、アパートの探し方と手続きの際の注意点についてまとめました。
※以下の記事も参考にして下さい。
参考記事:
なお、この記事では日本人の多くが滞在するであろうブダペストについての情報を主にまとめます。
目次
ブダペストの不動産事情
最初に伝えておかないといけない情報として、「ブダペストは不動産バブルをむかえている」ということがあります。
この記事を書いている2018年現在の話ですが、2~3年前と比べると、不動産価格が約2倍に跳ね上がっているようです(ブダペストに10年以上生活されている日本人の方から聞きました)。
ためしに、ブダペストの街中にある不動産屋さんの店頭にある物件情報を見ていると、場所によりますが新築物件が9000万フォリント(約4000万円)で売りに出されていることもあるようで、当然賃貸でアパートを借りるときも、賃料が徐々に上がってきているとのことです。
この不動産バブルがいつまで続くか分かりませんが、賃貸の条件によっては「東ヨーロッパにいるから安い賃料で済む」ということには必ずしもならないことを念頭に置いて下さい。
ブダペストで賃貸用アパートを探すためのサイト
ブダペストで物件を探すためのサイトは、以前の記事でも紹介した
https://www.towerbudapest.com/en/rentals/search
https://www.apartmentsofbudapest.com/en/budapest-apartment-for-rent
これら2つのサイトも有益ですが、僕が実際にアパートを探す際に活用したのが以下のサイトでした。
このサイトでは、ブダペストとその他ハンガリー国内の都市での物件を探すことが可能です。
上のリンクは英語サイトに飛びますので、英語ができれば問題なく検索は可能だと思います。
今回はこのサイトで検索をする際の注意点をいくつか補足しておきます。
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①トップページで入力する情報
左から順に説明すると、赤枠が「賃貸検索」、緑枠はブダペストの場合、区の番号、その隣が家賃、紫の枠は「部屋数」です(部屋数については、分からなければ空欄で大丈夫です)。
区については、以下のように考えて絞ってみるといいでしょう。
1区→ブダ側(川の西側)中心部。ブダ城・王宮などが近くにある。家賃高め
11区→ブダ側南部。ゲッレールト温泉などの中心に近いところから、ゲッレールトの丘の裏側、郊外まで広い。ゲッレールト温泉の近くであれば中心までの交通の便が良い。
(ブダ側のほうが落ち着いた雰囲気で静か。家賃相場は高め)
5区、6区、7区→ペスト側中心部。地下鉄も入り組んでいて、生活の利便性は最も高い。
8区→ブダペスト東駅周辺。ペスト側の中心部に近い
9区→ペスト側の中心と郊外の境目。このあたりだと適度な家賃で良い物件が見つかる可能性が高い
その他の区→郊外。中心からは遠い
利便性を考えるのであれば、5~9区、11区で物件を探すのが長期的にはメリットが大きいかもしれません。
②家賃について
家賃はフォリント計算で入力しますが、千の位以下を表示しません。例えば「15万フォリント以下」の条件で探すなら、検索時には「max. 150(=150,000フォリント)」と入力して検索をします。
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③詳細検索をする場合
右上にある「detailed search」を使えば、更に条件を絞ることができます。むしろ、ここで絞り込みをかけなければ物件がヒットしすぎるので、積極的に絞り込みをかけましょう。絞り込み条件としては「立地(通りに面しているか/庭に面しているかなど)」「家具備え付けかどうか」「エレベーターがあるか」「部屋の方向」などです。
④候補の物件が見つかった時に確認すること
地区などで絞り込みをかけて、興味のある物件があればクリックをして、詳細を確認します。
いくつかの写真の下に様々な情報が載っていますが、特に大切なのは赤枠で囲んだ場所です。
emelet=部屋の階数。他のヨーロッパ同様に、ハンガリーの1階は日本で言う2階です。emelet=2であれば日本で言う3階ですね。
また、家賃とは別に光熱諸費(Utility cost)が別料金となっている物件が多いです。この物件であれば、20,000フォリントが家賃とは別に毎月かかります。
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⑤地図を確認しておよその位置を把握
詳細情報の下には、地図が表示されます。
住所が番号まで分かっている場合も、通りの名前までしか分からない場合もありますが、いずれにせよ興味がある物件があれば、地図の下にある問い合わせフォームからメールを送ってみましょう。
なお、問い合わせはGoogle翻訳でハンガリー語にしたほうが、コミュニケーションを取れる可能性は当然ながら高いです。また、僕は10件ほど問い合わせを送りましたが、返信率は5割もありませんでした。メールを送っても確実に対応してもらえるとは限らないので、リスクヘッジも考えながら粘り強く多くの問い合わせをしてみる必要があることは覚悟しておきましょう。
※地図の下に表示される赤字の「A környék hasonló hirdetései térképen」をクリックすると、地図から物件を選ぶことができます。通りの名前だけだと全くイメージがつかないことがあるので、地図を使って検索するほうが希望の物件を探せる可能性は高まるでしょう。
⑥問い合わせ時/内見時に確認したいこと
・インターネットは使えるのか、契約する必要があるか
・契約期間(ハンガリーの場合、最低1年(12ヶ月)というところがほとんどです)
・月の途中から入居する場合の家賃
・備え付けられている家具の種類
・入居時に必要なデポジット(ハンガリーの場合、2ヶ月分の家賃をデポジットとして用意し、更に初月の家賃を別に用意する必要がある場合が大半です)
・家賃の支払い方(現金でいけるか、銀行口座が必要か ※ハンガリーの銀行口座は口座維持手数料が高い)
・家賃の通貨(場合によってはユーロでの支払いを希望される場合も。これはハンガリーの法定通貨の弱さ故、ハンガリー人でもユーロを保有しておきたいという人が一定数いるからです。なお、ブダペスト市内のEuronetのATMからはユーロが下ろせます。ただ、ユーロは為替レートが変動しやすいので、個人的にはフォリントで支払う方がいいのかなと思っています)
・契約書を交わす(入居前に、諸条件について)
追記・実際に契約した家賃情報や、大家さんのこと
この章は後で加筆したものですが、2018年の6月から実際にアパートに住み始めました。
契約した物件の基本スペックは、
・1.5部屋(仕事部屋兼リビングで1室、もう半室はベッドがちょうどのスペースで配置されている寝室)、合わせて35平米ほど
・インターネットは自分で契約
・別に管理費、電気代、水道代などを支払う
・ブダペスト11区(ブダ側)、市内の中心までトラムやメトロで15分未満
・スーパー、ドラッグストアなど全て徒歩圏内にあり
というものです。
このスペックで、家賃が140000フォリント(5.6万円)+管理費20000フォリント(8000円)+水道代など約15000フォリント(6000円)(=合計約7万円)を大家さんに払い、これとは別にインターネットをプロバイダー契約しています(下り240Mbit、上り20Mbitで、いつでも解約可能な若干割高なプランで月5700フォリント=2300円)。
合計で7.5万円ほどの固定費となっていますが、がっつり仕事をして暮らすには十二分な条件となっています。
また、インターネット情報を見ていると、ハンガリー(に限らず海外)で不動産賃貸の契約をすると、大家さんがハズレで大変な経験をした、というものも目にしますが、僕が住んでいるアパートの大家さんはとてもいい人です。というのも、大家さん(男性で子持ち、恐らく不動産投資を生業にして複数の物件を保有している)は、英語があまり上手ではなく、契約書もハンガリー語でしか用意されなかったのですが、Google翻訳を使って分かりづらいところは逐一確認するときちんと回答してもらえ、また契約書を交わすのも、大家さんの他の物件(いわゆるマンション)に脚を運んで行えました。
実はそのときに、僕は「万が一メールで送られた契約書と違う内容の契約書をハンガリー語で書かれていたらまずい…」と思って、メールで確認していたPDFの契約書をタブレットに入れて、確認用に持参していました。
しかし、契約を交わすときには、大家さんがパソコンに保存しているWord形式の契約書を出して、適宜修正が必要なところをその場で修正して印刷し、契約をすることができました。
また、家賃の振り込みは銀行振込か手渡しなのですが、ハンガリーの銀行口座は口座維持手数料が割高なため手渡しを希望したら、毎月自宅から僕が住んでいるアパートまで脚を運んでもらい、その場でやりとりをすることができています。会う度に「何かトラブルはないか?」と気を遣ってもらっていて、とても安心したブダペスト生活を送ることができています(以前、電気メーターのチャージのしかたが分からなかったときにも助けてもらえました)。
まとめ
今回はブダペストで賃貸を利用する時の調べ方や注意点についてまとめました。
ワーホリビザの場合、申請のタイミングによっては滞在期間が1年未満となって、1年縛りの物件と条件が合わないことも出てくるかと思います。可能であれば、現地のハンガリー人と繋がりを作って情報を教えてもらったり、サポートしてもらったりするのが確実でしょう。
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