海外生活をしているとネックになるのが、日本語の書籍や文献を手にする機会がどうしても減ってしまうこと。いくらKindleで本を読めるようになったり、iPadにPDFや本のデータを入れて持ち運べるようになったと言っても、きちんとページをめくって本を読む、本に触れる機会を人間はどうしても欲してしまいます。
僕はポーランド生活中には現地の図書館も利用していませんでしたが、今回ブダペストにやってきて「国際交流基金」の建物があることを知りました。事前情報によると、日本語の本も置いてあって貸し出しができるようです。
これまでに何度かこの施設を訪れたので、活用法をまとめました。
目次
国際交流基金とは?
この団体(独立行政法人)は、「国際文化交流事業を総合的かつ効率的に行なうことにより、我が国に対する諸外国の理解を深め、国際相互理解を増進し、及び文化その他の分野において世界に貢献し、もって良好な国際環境の整備並びに我が国の調和ある対外関係の維持及び発展に寄与することを目的と」(Wikipedia)して活動をしていて、海外での日本語教育や日本への派遣プログラムなどを実施しています。
国際交流基金という団体の存在自体は以前から聞いたことがありましたが、クラクフにいたときに関係者と知り合ったこともあって、今回ブダペストには施設があるということで行ってみたのです。
国際交流基金の建物への行き方
国際交流基金の施設は地下鉄1号線のOktogon近くにあります。
建物が分かりづらいですが、Aradiという建物の2階(日本で言う3階)にあります。建物に入ったら正面にカウンターがありますがそこはスルーして、すぐ右横にあるエレベーターを使います。
これで2階に上がって(「2」のボタンの横に「japan foundation」と書かれています)、入口でインターホンを押します。
この中に、イベント用スペースや勉強スペース(コンパクトな図書館みたいなもの)があります。
最初は「日本語で話そう会」に参加
この施設のことを知ったのは、5月に行われた「日本語で話そう会」という、日本語を勉強しているハンガリー人と、ブダペスト在住の日本人との交流イベントでした。
ブダペストに来て1ヶ月ほど経った時にこのイベントが行われるとのことだったので、ハンガリー人の友人を作ることも兼ねて参加してみました。
このイベントはひと月に1回ほどのペースで行われているようです。
この時はフリートークで「私と○○」というテーマで、ざっくばらんに日本語で話す内容でした。
基金のスタッフの方からもお題はいくつか出たので、それに沿って話を進めることもできました。
こちらはビンゴゲーム。1人1テーマで発表をしていって、同じ答えがあったらまるで囲ってビンゴに繋げるというもの。
最初にビンゴになった2人だけに商品が渡されるようで(笑)、僕は蚊帳の外でした。
このイベントで何人か、日本語が堪能なハンガリー人と知り合いになることができました。驚くのは、この国際交流基金のプログラムだけで日本語をマスターしている人が多いということです。ポーランドでもそういう人は多かったですが、「興味がある」ことを突き詰めれば外国語の習得なんて屁でもないことなのかもしれません。
関連記事:「好きなこと」よりも「興味のあること」にエネルギーを注ごう
日本語の蔵書を利用するには
さて、「日本語で話そう」イベントは頻繁に行われているわけではないので利用機会は多くありませんが、この国際交流基金の施設のメインはなんといっても「日本語の蔵書」です。
日本の自治体の図書館に比べる術もないほどこぢんまりしたものですが、6つほどの本棚に、主に人文科学、社会学、言語学系の書籍(+小説)が沢山収められています。
自然科学系の書籍はほぼ皆無(発酵技術を用いる日本食についての本くらい)なので蔵書に偏りがあるのは否めませんが、海外ではなかなか手に入れることが難しい日本の書籍を手に取れるだけでも貴重なものと言えます。
まずは小説から。
ハンガリー語に訳された村上春樹の作品。ちなみに、日本語の1Q84(単行本)とかもありました。
これは、日本のことを勉強しているハンガリー人向けでしょうか。僕は興味がなく…。
こちらは日本語系の書籍。個人的に、日本語の体系や特徴をもう一度おさらいしておきたい気持ちはあったので、いくつか読み囓ってみるのもよさそうです。
「現代○○用法辞典」は、様々な品詞の具体例と説明が網羅されている実用書。「形容詞」編をざっと読んでみましたが、知らない形容詞も沢山ありました。自分がまだまだ知らないことが世の中には沢山あります。
山崎豊子さんの作品も。
小説はやっぱり、ペーパーバックで読みたいものです。
ハンガリーについて学べる本も当然あります。
芦部先生の憲法本があることには正直驚きました。ただ、最新版では当然のことながらないようです。
芸術系の書籍もちらほら。
世界遺産がまとまった大型本もあるんですね。Googleばかりで調べずに、こういう本からも学びたいものです。
マンガも。ただ、品揃え(?)は日本人宿のアンダンテホステルのほうが圧倒的に多いです。
海外にいながら日本を見つめ直すのもいいのではないでしょうか。やっぱり一定距離を置かないと見えないものもあります。
他に、雑誌もいくつかありました。ただ、こちらも種類は多いわけではないのでd-マガジンのほうが便利かもしれません。
本を貸し出すには
本の貸し出しをするためには、カウンターで貸し出し証みたいな書類を作る必要があります。
ハンガリー人が受け付け担当だと思いますが、日本語が堪能なのでビビる必要はないでしょう。
住所や氏名、連絡先と身分証明書の情報を記入すれば即時発行してもらえます。
一度に借りられるのは書籍2冊まで、マンガ・雑誌は8冊まで。期限は2週間で、1回だけ1週間延長は可能です。
一度に書籍2冊しか借りられないのはあまり便利ではありませんが、Kindleや端末に入れた電子化書籍に疲れた場合はペーパーバックを借りてみるのもオススメです。
まとめ
今回はブダペストの国際交流基金の施設の活用法についてまとめました。ここは日本人向けのオアシスのようなものなので、今後も積極的に活用していこうと思います。
スポンサードリンク
ちと被害妄想ではないですか。物価目当てで訪れる日本人が増えても最初のきっかけにす…