これはめちゃくちゃ独断ですが、
ポーランド料理の真骨頂はスープにあると思っています。
スープ……。
初めてポーランドに来たときに驚いたのは、そのバラエティの多さでした。
日本で言うと、お味噌汁とおすましとコーンスープ…くらいしか僕はぱっと思いつきませんが(苦笑)、
ポーランドだと、ローテーションで一週間違うスープを味わえる。
それくらいに、スープの種類が豊富です。
しかも、(これはポーランド料理全般に言えることですが)めちゃくちゃ日本人の舌に合うんですよね…。
冗談抜きで、ポーランドに旅行で来たら、毎日違うスープを味わって頂きたいと思っています。そして今回は、そんなポーランドスープの一部を紹介できればと思います。
目次
①ポーランドのスープといればこれ。Żurek
ポーランドで一番メジャーなスープといえばこれでしょう。Żurek(ジュレック)。
ライ麦を発酵させて作るんですが、その酸味と甘みが絶妙なんですよね。一般的にはゆで卵とぶつ切りソーセージを入れて食べます。確か、クリスマス(12月25日)のお祝いで食べた記憶があります(クリスマスの数日前からイブまでは、カトリックだとお肉を食べません)が、街中でも普通に食べられます。日本で言う「お味噌汁」的な存在の、由緒正しきスープです。
ちなみに、お店によってはパンをくり抜いて中にŻurekを入れる、なんて粋なことをするところもあります。
②コクのある鶏ガラスープ。Rosół
http://www.garnek.pl/anna60/15435767/niedzielna-zupa-rosol
続きましてはこちら、鶏ガラスープのrosół(ロスウ)。一般的に、具にマカロニ(細くて短いパスタ)とニンジンを使うようです。
これがまたとても美味しくて、日本で鶏ガラスープのラーメンを食べているようなもんです。一度こちらの友人宅でお母さんが振る舞ってくれたRosółを食べたことがありますが、もう「ザ・おふくろの味」でしたよ。大鍋に鶏肉を丸ごといれて出汁を取っていましたからね…。
③定番のキノコスープ。Grzybowa
http://www.wszelkieprzepisy.pl/zupa-grzybowa
キノコを素材にしたスープ:grzybowa(グジボヴァ)もあります。この写真だと見づらいですが、色は焦茶色から混濁した薄茶色。薄茶色のは、牛乳を混ぜているんでしょうか…。ここでもマカロニを具に入れることもあります。
④ビーツを使ったスープ。Barszcz
https://www.winiary.pl/przepisy.aspx/36/barszcz-czerwony
ビーツ(赤カブ)を使ったbarszcz(バルシュチュ)もポーランドではとってもポピュラー。あっさりしているので、日本で言うおすまし的な存在でしょうか。
ピエロギを具にしたものもあります。
ちなみに、ロシア料理に、同じくビーツを使った「ボルシチ」があり、名前も似ていますが、割と別の料理のようです。ボルシチはビーツを具でいれて、どちらかといえば濃厚な味なんだと思います(モスクワで食べたときはサワークリームもついていましたし)。
前にポーランド人の友人が、「ボルシチとbarszczは全然違う!」って言ってました。一種の誇りみたいなものなんでしょうかねえ。
⑤きゅうりを使ったスープ。Ogórkowa
なんと、キュウリのスープ(Ogórkowa:オグルコヴァ)もあります。実は僕、あまりこのスープは食べたことなくて、味も覚えていないんですよね…。写真を見る限りあまりきゅうりきゅうりしていませんが、どうなんでしょう。
ちなみに、ポーランドできゅうりといえば、きゅうりの酢漬け(ogórek kiszony)がポピュラーです。
https://pl.wikipedia.org/wiki/Og%C3%B3rek_kiszony
いわゆるピクルスですが、ウォッカのアテで使うことが多いです。日本の漬け物とは比べものにならないくらいに酸っぱいですが…。
⑥ビーツの冷製スープ。Chłodnik
こちらは、barszczの夏バージョンとでも言うべき冷やしスープ、Chłodnik(フウォドニク)。すみません、僕は食べたことないです…。
⑦トマトスープもあるよ。Pomidorowa
(出典はこちら)
トマトスープのpomidorowa(ポミドロヴァ)もメジャーです。トマトの鮮やかな赤色ではなく、少しクリーミーな色ですね。ここでもマカロニを入れて食べるのが定番。
番外編:スープヌードルもあるけれど…
ポーランドでスーパーに行くと、日本で言うインスタント乾麺も豊富に売っています。乾麺と、出汁の素がbarszczだったりrosółだったりpomidorowaだったりするんですよね(日本で言う、出前一丁みたいな四角の袋に入っています)。
かつてポーランドにいたときに、スーパーでこれを見た僕は「ああ、ポーランドにもラーメンがある!」と思って、袋から取り出した麺を器に入れて粉末をかけて、お湯を注いで3分待って食べていました。
ただ、飛び上がりそうになったのは、ポーランド人のルームメイトの行動。
買ってきた乾麺の袋を開ける前に、袋を両手で動かし、中の麺を「バキバキバキ…」と粉々にしてから、袋を開けてコップに麺と粉末を入れて、お湯を入れて口にしていたんです。
この時は「なんで麺をそのままにして食べないの?」と聞いたんですが、相手は平然と、「いや、これスープだから」と言ってのけていました。どうやら、これはポーランド人にとっては「色んな味を楽しめるラーメン」ではなく、「マカロニ付きのインスタントスープ」らしいんですよね。こんなにも同じものを見て捉え方が違うのか、ということに驚いたのは初めてだったと思います。(ちなみに、ポーランドには日本でいうラーメン用の器みたいな、底が深くて大口の器がなくて、このインスタント「ラーメン」をそのまま器に入れてお湯で戻すのは、なかなか難しいです)
まとめ:ポーランドグルメではスープも忘れずに!
今回消化したように、ポーランドのスープはびっくりするくらいにバラエティが豊富です。僕もまだまだ知らないスープが沢山あるので、みなさんもポーランド旅行の際はスープも色んな味を楽しんで見て下さい!
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